2023 Fiscal Year Research-status Report
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22K00330
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Research Institution | Kogakkan University |
Principal Investigator |
田中 康二 皇學館大学, 文学部, 教授 (90269647)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 神風神話 / 本土決戦 / 元寇 / 中世神話 / 敗戦 |
Outline of Annual Research Achievements |
「国学的なるもの」が先の戦争を通して称賛、讃美され、敗戦を機に雲散霧消した経緯をさまざまな観点から追究する課題の二年目である。今年度は、鎌倉時代に二度にわたる蒙古襲来に際して大風が吹いて日本が救われたという史実について、日本は神の国であるから外敵が日本を攻めた時には「神風」が吹いて日本が救われるという「神風史観」が、戦争勃発とともにメディアで取り上げられ、もてはやされた揚げ句、敗戦とともに消滅した経緯について調査および論文の執筆を行った。 また、大戦中に国学の熱狂を煽動したとされる平田篤胤について、本居宣長との関係で論じ、論文を執筆した。 さらに、篤胤の同時代の国学者である橘守部の新出資料、とりわけ守部がパトロンである吉田秋主に宛てた書簡六百余通を中心に、『橘守部全集』に未掲載の資料を翻刻し、紹介した。 なお、本居宣長の紀行文『菅笠日記』における名所研究について、地名考証という観点から論文を執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該課題について、調査・研究は一定程度進み、活字媒体での発表もできた。
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Strategy for Future Research Activity |
「国学的なるもの」が示す内容は広く、今後は歴史の各時代を彩ったイデオロギーが戦時中に復活し、隆盛を極め、最終的には戦後、消滅した経緯について、具体的なコンセプトに即して進めていきたい。
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Causes of Carryover |
2023年度に計画していた、国立国会図書館等への資料調査が、新型コロナウイルス感染症が医療的評価が通常の感染症並みになったが、依然として感染拡大は続いており、これによる混乱を避けるために、やむなく中止することとした。
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Research Products
(4 results)