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2023 Fiscal Year Research-status Report

日本ペン倶楽部/日本ペンクラブの〈文学場〉――日本文学史と世界史の再解釈

Research Project

Project/Area Number 22K00346
Research InstitutionKokushikan University

Principal Investigator

目野 由希  国士舘大学, 体育学部, 教授 (20338289)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) モハッマド モインウッディン  大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 助教 (50714664)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords日本ペンクラブ / 占領期日本 / マーク・ゲイン / SCAP / 日本ペン倶楽部 / プロパガンダ / 1947年 / 朝鮮戦争
Outline of Annual Research Achievements

2023年6月1日、研究代表者は分担研究者とともに、ここまでの調査経過を報告するオンライン研究会
“The development of The Amerasia Spy Case with Douglas MacArthur from USA, via occupied Japan to Korean peninsula 1945-1948”を行った。
この研究会では、これまで日本人同士が自発的に再組織化した「日本ペンクラブ」の1947年のスタートは、実際には、SCAPを伴った、米国人ジャーナリストであるマーク・ゲインが、アメリカペンクラブ役職者として主導したものであることを、一次資料の新発見に基づいて明らかにした。
このディスカッサントとして、研究代表者はシェフィールド大学(当時)の崔徳孝先生、大阪大学のニコラス・ランブレクト助教、ダッカ大学のサイフッラー・アコン先生を雇用し、英語で資料について議論を行った。その後も、本件についての先行研究の概要紹介を、オンラインのジャーナル・クラブで説明できるように準備をし、小規模な検討会を開催するなどして、研究活動を継続している。

また、マーク・ゲイン資料を遺族が寄贈した、トロント大学のThomas Fisher Rare Book Libraryへ、2024年2月4日から11日、一次資料を閲覧・調査するための出張を行った。ここでは、は、1944年時点でMark Gaynが、情報収集のため、アメリカ・ペンクラブで役員となり、アメリカ国務省のジョセフ・グルーとともにペンクラブを事実上の諜報活動の道具に使っていることを示す一次資料の発見、閲覧、複写が、最大の収穫であった。この調査結果を受け、研究者は今後、この研究の成果は、日本文学研究者以外とともに論文化の準備をすすめることとした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究では、(戦前期日本ペン倶楽部と密接な関係があった)イタリアペンクラブ、(戦前期日本ペン倶楽部とプロパガンダ組織として対抗関係にあった)中国ペンクラブの関係から、戦後、1947年の日本ペンクラブ再建を読み解くという研究計画に基づいて、研究費を執行し、日本ペンクラブ再建を調査する予定であった。そこで、当初の研究計画では、イタリアペンクラブや中国ペンクラブについての調査から、少しずつ、1947年当時の日本ペンクラブ再建事情を解明するとしていた。
ところが、実際に調査をすすめてみると、すぐに1947年当時の一次資料の特殊な性格が明確になった。この資料の性格(米国の日本占領時の文化政策、東西冷戦草創期のプロパガンダ組織再利用としての日本ペンクラブ再建)が、当時の東アジア情勢や国際政治学の見地からも新資料として重要であったため、国文学研究の枠を超えた研究に、本件は展開していった。この「東アジア研究としての重要性」「国際政治学という点からも注目すべき資料」という特徴は、ダッカ大学日本学部の教員と学生や、大阪大学助教2名、シェフィールド大学教員など、日本文学研究者だけではなく、東アジアに興味を持つ研究者や学習者の参加、連携、共同研究を、研究にもたらすこととなった。
このように、本研究は、一部、当初の計画以上の進展をみているものの、学会発表や論文発表は、まだなされていない。

Strategy for Future Research Activity

研究成果の論文化に取り組むとともに、共同研究者たちとともに、オンライン研究会を開催する。

Causes of Carryover

新たに発見された史資料の性質上、出張計画を大幅に変更する必要が生じたため。

  • Research Products

    (4 results)

All 2024 2023 Other

All Int'l Joint Research (2 results) Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Funded Workshop (1 results)

  • [Int'l Joint Research] The University of Sheffield(英国)

    • Country Name
      UNITED KINGDOM
    • Counterpart Institution
      The University of Sheffield
  • [Int'l Joint Research] The University of Dhaka(バングラデシュ)

    • Country Name
      BANGLADESH
    • Counterpart Institution
      The University of Dhaka
  • [Journal Article] 戦前期日本ペン倶楽部の活動停止とその後2024

    • Author(s)
      目野由希
    • Journal Title

      国文学言語と文芸

      Volume: 139 Pages: 32-53

    • Peer Reviewed
  • [Funded Workshop] The development of The Amerasia Spy Case with Douglas MacArthur from USA, via occupied Japan to Korean peninsula 1945-19482023

URL: 

Published: 2024-12-25  

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