2024 Fiscal Year Annual Research Report
20世紀日仏の女性メディアにおける「パリジェンヌ幻想」の領域横断的比較研究
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22K00479
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| Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
猪俣 紀子 茨城大学, 人文社会科学野, 准教授 (20734487)
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| Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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| Keywords | パリジェンヌ / フランス文化 / 日仏文化交流 / 少女文化 / 女性雑誌 / 少女マンガ |
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本におけるフランス文化の移入に関して、日本人女性がイメージする「パリジェンヌ幻想」がいかに構築され、どのような変遷を経て現在に至ったのかを歴史的かつ社会学的に明らかにすることを目的としている。日仏の比較研究を行うことで、今日に至る日本女性の理想を投影したパリジェンヌ像がいかにして形成されたのかを検証する。本年度は、日本の少女マンガ作品における西洋表象について分析を行った。 分析対象として、主に60年代の少女マンガ誌を取り上げた。その結果、「どこかわからない西洋」を含めた西洋の国を舞台として採用することは、日本舞台作品と異なり、華やかなドレスシーン、恋愛など明るい世界を見せるための装置として作用していたことがわかった。 貧富の設定に関して、西洋舞台作品は日本舞台作品よりも裕福な設定が一般的で、バッドエンドの話であっても貧しい描写が見られなかったことは、差別、病気などが主なモチーフとなっていた日本作品と明らかなコントラストをなしていた。 また日本が舞台の作品においても、そこで描かれるフランスイメージとして、絵画、バレエ、音楽という芸術に秀で、物事を評価できるセンスのよさを持った「憧れのパリ」という描写がみられた。これらの言及は最も多く描かれた国であるアメリカ、他国の表現に存在しなかったことを考えれば、フランスがそういったイメージを呼び起こす国として当時の日本の共通認識となっていたこと、さらに女子小中学生向けの大衆文化媒体によって、それを刷り込む伝播が起きていたといえる。ここからは、現在の女性向け大衆メディアにみられるパリジェンヌ幻想との直接的なつながりが新たに確認できた。
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