2022 Fiscal Year Research-status Report
Research on Education of a Minority Language as a "Foreign Language" and Its Impact on Language Revitalization Policy
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22K00566
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
柿原 武史 関西学院大学, 商学部, 教授 (10454927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 信弥 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 教授 (20228448)
吉田 浩美 神戸市外国語大学, 外国学研究所, 客員研究員 (70323558)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 少数言語 / 言語政策 / 外国語教育 / 少数言語回復政策 / 少数言語対外普及政策 / ガリシア語 / バスク語 / カタルーニャ語 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はスペインの地域少数言語およびスペイン語教育について基礎的な資料収集と一部のアンケート調査、教材研究調査を実施した。また、ガリシア語の学習動機に関するアンケート調査の準備を行い、国際共同研究の研究グループも形成した。 研究代表者の在外研究を利用して、サンティアゴ・デ・コンポステーラ大学ガリシア語研究所(Instituto da Lingua Galega, Universidade de Santiago de Compostela)の客員研究員として調査を実施した。①現地の言語政策関係者や研究者に対する聞き取り調査および意見交換、②ガリシア語学習者に対するアンケート調査、③教育現場での参与観察などを実施した。また、④関連するワークショップ、学会、研究会、大学講義、講演会などに参加し、言語政策に関連する最新動向について資料収集を行うとともに、研究報告を行った。 ①に関しては、ガリシア自治州言語政策局長他、言語政策局職員と複数回にわたって面会し、主にガリシア語の対外普及政策、教育政策、語学能力検定試験(Celga)についての情報交換を行った。また、ガリシア言語研究所及び文献学部のガリシア語研究者、公立小学校教員とも面談し、聞き取り調査を実施した。 ②に関しては、ガリシア語学習者の学習動機に関して調査すべく、アンケート調査を作成し、インターネット上で公開し各地のガリシア語教育機関の学習者に参加を依頼した。一方、ガリシア語教材の分析も実施した。 ③に関しては、公立言語学校(Escola Oficial de Idiomas)におけるガリシア語講座、サンティアゴ市民向け講座、サンティアゴ大学学生向けガリシア語講座などに参加、見学を行い、担当教員や講座運営者への聞き取り調査などを実施した。 そのほかの言語に関しては、共同研究者がそれぞれの言語について基礎的な調査、研究準備等を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響を受け、共同研究者の渡航や調査が困難な時期が長引いた。また、ロシア情勢、諸物価高騰、円安により渡航費用が急騰し、当研究費のみでは当初予定していた調査などを実施することが難しくなっている。できる限り、オンラインによる調査を実施したり、現地の研究者に協力を依頼したり、比較的渡航費の安い時期を探したりし、研究への影響を最小限にするための努力を行っているが、当初予定よりも遅れ気味である。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍の影響がほぼなくなる今年度から渡航による調査を実行に移し、調査結果のデータ分析などを実施していく予定である。また、国内外の研究会や学会での途中経過の報告などを実施する予定である。 具体的な調査としては、ガリシア語に関しては、研究代表者がネット上で2つの調査に取り掛かっている。1つはガリシア語学習動機についての調査で、個人で実施している。データがある程度収集できつつあるため、その分析を実施する。一方、各地のガリシア語教育機関に対する言語教育実施実態調査をポルトガルのミーニョ大学Carlos Pazos Justo教授、イタリア、ローマ大学Attilio Castellucci教授、ポルトガルAlgarve大学Maria Jesus Botana Vilar准教授とともに開始した。こちらの調査もデータがそろい次第、Web上の研究会などで成果報告をする予定である。 カタルーニャ語とバスク語についても、引き続き、共同研究者が取り組んでいる課題についての調査を継続実施していく予定である。そのため、オンライン会合やメールおよび関連学会などの機会に情報交換を適宜実施する予定である。
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Causes of Carryover |
研究代表者が所属機関の在外研究制度によりスペインに滞在していたため、当初計画していたスペインと日本の渡航費が不要になったため。また、航空券、滞在費の高騰により、共同研究者の渡航が困難になったため支出できずに、次年度に繰り越すことになったため。
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