2023 Fiscal Year Research-status Report
Theoretical and Demonstrative Research on Variation of Defectiveness of Sentence Structure and Locality of Movement
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22K00609
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
後藤 亘 東洋大学, 経営学部, 准教授 (50638202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 侑嗣 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任研究員 (00964628)
石井 透 明治大学, 文学部, 専任教授 (30193254)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 普遍性 / 多様性 / 極小モデル / 併合 / 探索 / 文構造の欠陥性 / 移動の局所性 / ボックス化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では生成文法の最新の枠組みである極小モデルの観点から変異についての新たな説明理論の構築を目指している。具体的には、普遍的な構造構築操作の併合と原理的な第3要因の検索のみを最大限活用し、これまでの先行研究で明らかになった二つの大きな変異特性である文構造の欠陥性と移動の局所性をどのように統一的に説明することができるのかを検討している。特に、日本語・ドイツ語・英語タイプの言語で観察される変異データを実証的に分析することを通して変異を司るメカニズムの解明に貢献し、極小モデルの進展に寄与することを目的としている。 研究初年度(令和4年度)は、研究計画に従い、Pair-Mergeと探索に関する検証などを行った。研究次年度(令和5年度)はラベルと探索に関する検証などを予定していたが、年度初めに本研究が採用している生成文法理論の提唱者であるNoam Chomsky氏が「ボックス理論」という新たな理論を提案したので、本研究の帰結を探ることに加え、Noam Chomsky氏とメールで意見交換しながら、ボックス理論の研究も並行的に進めた。その結果、ボックス理論で想定されている原理・原則を踏襲することで、Pair-Mergeが捉えようとしていた統語的特徴(例:A'特性、非ラベル特性、非移動特性など)は、Pair-Mergeを想定しなくても,「非主題位置へのExternal Mergeの適用=ボックス化」という独自の視点で捉え直すことができるかもしれない新たな着想が得られたため、その経験的帰結も探った。また、上記の新たな着想に基づく分析について評価をしてもらうために、本研究とは別に、ボックス理論について代表者と一緒に共同研究をしている石井透氏(明治大学教授)に本研究課題に加わってもらった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は、Noam Chomsky氏が提唱した生成文法の極小モデルの枠組みで言語の多様性をどのように説明することができるかという言語変異の問題を扱っている。 Chomsky氏はこの極小モデルをさらに推し進め、2023年に「ボックス理論」という新たな枠組みを提示し、従来想定されてきた移動に関する重要な概念(例: 連続循環移動など)の不要論を唱えている。本研究では、移動の局所性に関する変異も研究対象としているため、この最新理論も射程にいれながら提案理論の検証、再構築、精緻化をしていく。これまでのところ、当初の研究計画を順調に進めることができているだけでなく、この最新メカニズムについてもChomsky氏と密に連絡を取り合いながら研究を進めることができているため、本研究課題は当初の計画以上に進展していると言える。上述の通り、「非主題位置へのExternal Mergeの適用=ボックス化」という新たな着想も得られ、今後その観点から言語の多様性を分析できる可能性も浮上しているため、本研究は建設的かつ発展的に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に従い、英語、日本語、イタリア語、ドイツ語のデータを中心に研究を進めていく。その際、上述の通り、「非主題位置へのExternal Mergeの適用=ボックス化」という新たな着想も得られたので、本課題の研究テーマをさらに拡張するかたちで、ボックス理論の研究もしていく予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で予定していた海外出張が遂行できなかった。コロナの規制緩和も進んできているので、今後は当初の予定通り積極的に国際学会で発表するなどして 予算を執行していく予定である。
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