2023 Fiscal Year Research-status Report
Investigating interactional practices for intercultural communicative competence in English conversation: Data-driven qualitative exemplars and short-term and long-term developmental trajectories
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22K00681
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
ブラウン アイヴァン 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (80436774)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 英会話(話すこと・やり取り) / 会話分析(CA) / 第二言語相互作用能力(L2IC) / 異文化間コミュニケーション能力(ICC) / 縦断的分析 / 学習活動のデザイン / 質的研究 / コミュニケーション能力の縦断的変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度の主な実績は、3件の学会発表であり、それぞれデータ、分析の焦点、結果が異なる。最初の2件の発表では、研究代表者の所属する大学で実施している「英会話ポートフォリオ」を特徴とする英会話の原理の専門授業からのデータを使用した。3つの研究の会話分析結果はいずれも、第二言語相互行為能力(L2IC)と異文化間コミュニケーション能力(ICC)の接点について有望な洞察をもたらした。 最初の発表(CAN-Asia、京都、5月27日)では、学生の3段階の会話課題における短期縦断的分析に焦点を当てた。その結果、参加者は、学習目標、文化的内容、内容構造と談話の流れ、相互協力の方法、相互作用の実践に関する一般的な考察と評価について、それぞれの立場を交渉し、その方向性を示しており、これらの現象の発展が一連の相互作用にわたって追跡できることがわかった。2つ目の発表(ICCA2023、ブリスベン、6月30日)では、このポートフォリオの枠組みが、EFLの教室環境における典型的な制約を超越し、生徒が豊かな活動、役割、規範、行動を探求する余裕を与え、多面的な活動をめぐる、より幅広く繊細な相互作用の創発につながることを示した。3つ目の発表(Cutting Edges、英国カンタベリー、7月7日)では、縦断的な発展ではなく、1つのやり取りに焦点を当てたが、L2IC-ICCに関連する発見は、ローカルな相互作用的に構築された文化的カテゴリーが、会話の展開において、どのように特定の連続的な構造と実践をもたらしたかを示した。 2023年度には、上記の英会話授業が再び実施され、大半の学生が会話データを研究目的で使用することに同意した(合計20時間以上)。このデータの中には、日本人と留学生との異文化間交流も含まれている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度の主な目標であったデータ分析と国際会議での研究発表は達成された。また、各学会で示された関心と積極的かつ建設的な感想等の反応は、当初想定していなかった今後の研究の方向性への貴重な示唆につながった。想定していた海外の大学との国際的な協力・交流は、残念ながら各大学の事情により実現できなかったが、研究代表者の大学の留学生を巻き込んだ貴重なデータを収集することができた。また、本プロジェクト以前に収集した異文化間会話データを改めて分析することで、貴重な知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
学習者の第二言語対話能力(L2IC)および異文化間コミュニケーション能力(ICC)を高めるための教材・活動(授業15回分)を新たに作成する。2024年度の英会話の専門授業を準備と実施し、可能な限りのデータ収集を行う。 英会話に限らず、異文化理解・国際理解に関連する他の授業科目においてもL2会話データを収集する。英会話の授業科目の「英会話ポートフォリオ」のデータを書き起こし、分析する。少なくとも5名の学習者のデータを縦断的に分析する。特に、当初の研究計画で示したように、比較分析と縦断分析を統合した分析を行うように努めること。国内の英語教育学会(例:中部地区英語教育学会、全国英語教育学会、全国語学教育学会など)において、少なくとも1回は研究成果を発表すること。少なくとも1本の実証的研究論文を執筆し、研究ジャーナルに投稿すること。
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Causes of Carryover |
理由:(1) データ保存容量の追加(外付けハードディスク)、必須参考図書(電子書籍)、研究ソフトのバージョンアップが急務であったため、「物品費」が想定を上回った。(2)「人件費・謝金」は、勤務時間に余裕のある研究補助者が見つからなかったため、ゼロであった。(3)「その他」は、事情により活動の組み合わせを余儀なくされたため、予想よりやや少なかった。 次年度予算の利用計画:(1)研究補助として大学院生の採用に再度取り組む。(2)新しいPCの購入が急務であるため、「物品費」に多くを割く。(3)本研究に関連する打合せや研究会などへの出張は、常に研究成果にとって有益であるため、人件費に充てられない場合は、追加の出張費に振り向ける。
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