2022 Fiscal Year Research-status Report
Trans-Pacific network and exclusion of Asian immigrants
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22K00836
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小倉 佳絵 (高光佳絵) 千葉大学, 大学院国際学術研究院, 准教授 (10334591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
崔 蘭英 常磐大学, 人間科学部, 准教授 (80396803)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 朝鮮IPR / 排日移民法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題の目的は、アジア系移民排斥問題に注目して環太平洋トランスナショナル・ネットワークの形成を検討することにより、国境を超えて排斥が拡大するメカニズムを解明することである。本年度はネットワーク内の中国、朝鮮メンバーの1924年の排日移民法への認識を分析することを中心とした。 研究分担者とキックオフ・ミーティングを行い、中国YMCAに関する先行研究の整理、胡適日記の分析、太平洋問題調査会(IPR)における朝鮮グループの活動意図の分析を分担して進めることを確認した。 分析の結果、朝鮮IPRメンバーには米国連邦議会が排日移民法を可決したことを日米離間のチャンスと捉える見方があったことが明らかになった。米国IPRメンバーがこのネットワークを創設した動機は排日移民法により日米協調が損なわれることを回避することであり、日米間においてIPRは緊張緩和を主目的とするネットワークであった。しかし、朝鮮グループは日本の植民地支配を脱するためにはむしろ日米関係の悪化を望んでおり、アジア系移民排斥をめぐって連帯する機運は醸成されなかった。朝鮮グループは、IPRが非政府組織であることを逆手にとって合法的な範囲での「独立」へ向けた動きとして、日本支部のローカル・グループとしてではなく、朝鮮支部として「独立」することを追求した。他方、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド各支部はアジア系移民排斥を正当化する観点から米国内の排斥派と連帯し、移民を統制する権利を求め、イギリス本国から自律する動きを見せた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まず、朝鮮グループの行動の意図に注目して、アジア系移民排斥をめぐる連帯が困難であった事情を明らかにすることができたから。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、計画では国立中央図書館(ソウル)、中国第二歴史档案館(南京)での史料収集を予定していたが、研究代表者がサバティカルで米国に滞在することとなったため、米国、カナダでの調査を実施し、アジアにおける調査は2024年度以降に実施することにする。
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Causes of Carryover |
研究代表者が2023年度にサバティカルで米国に滞在することになったため、北米での調査費用を繰り越すことにしたため。
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Research Products
(3 results)