2022 Fiscal Year Research-status Report
比較経済史学の思想と実践――高橋幸八郎関連未公開書簡・日記を活用して
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22K00848
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
齋藤 英里 武蔵野大学, 経済学部, 教授 (50248663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須永 隆 亜細亜大学, 経済学部, 教授 (30187794)
矢後 和彦 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (30242134)
阪本 尚文 福島大学, 行政政策学類, 准教授 (60707800)
長谷川 貴彦 北海道大学, 文学研究院, 教授 (70291226)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 高橋幸八郎 / エゴ・ドキュメント / 京城帝国大学 / 福井 / フランス / グローバル・イースト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、大塚久雄とともに日本の戦後歴史学・社会科学を代表した一人であり、国際的にも活躍した経済史家の高橋幸八郎(1912-82年)が、恩師・同僚・親族らと交わした未公表書簡(高橋書簡)や遺族が保管していた膨大な日記(高橋日記)などを整理・利用し、黎明期の比較経済史学に含まれていた豊かな思想的可能性を、高橋に焦点を当てて明らかにすることにある。 本年度は、高橋の遺族から提供された日記全80冊をデジタル化するとともに、日記及び高橋関連の書簡を資料保存用封筒に入れて燻蒸し、高橋並びにその周辺の歴史家のエゴ・ドキュメントを福島大学附属図書館で公開する準備を進めた。日記の解読から、高橋が、日露戦争最大の会戦であった奉天会戦から37年後にあたる1942年3月9日及び3月12日に朝鮮語の新聞『毎日新報』に「日露戦争の世界史的連携 ヨーロッパの世界支配 東亜から破綻」を掲載していたことが判明した。 また、齋藤及び阪本が高橋の故郷である福井で資料調査を行い、高橋の親戚を含む高橋ゆかりの人々から聞き取りを行った。福井県立図書館では、旧制一高在学中に高橋が『福井新聞』に寄稿したゲーテ論を発見している。 さらに、オンライン研究会を複数回開催し、研究分担者がそれぞれが1回ずつ研究報告を行った。報告者と題目は、次の通りである。矢後:「高橋幸八郎とフランス――若干の論点」、阪本:「高橋幸八郎の戦争――青丘日記を活用して」、長谷川:「(翻訳書)イム・ジヒョン 『(仮題)グローバル・イーストの歴史学』の紹介」、須永「高橋幸八郎と早稲田大学――記憶の糸を辿りつつ」。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
厖大かつ判別が難しい箇所も多い高橋日記の翻刻がごく一部しか進まなかったが、それ以外については、順調に進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
高橋の薫陶を受けた門下生は多数いる。2023年度はそのなかの遺族が保管する高橋書簡の調査や高橋の遺族への聞き取りを行いたい。
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Causes of Carryover |
文献や文具などの消耗品の購入、福井での現地調査に伴う旅費、関係者への聞き取り調査や高橋日記の復刻の作業などの謝礼等に、当初の予定よりも多くの費用が必要であるから。
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Research Products
(19 results)