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2023 Fiscal Year Research-status Report

南東北地域の寺社奉納算額の史料的特性の明確化と地域史への新たな展開

Research Project

Project/Area Number 22K00867
Research InstitutionSendai National College of Technology

Principal Investigator

徳竹 亜紀子  仙台高等専門学校, 総合工学科, 准教授 (70552488)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 谷垣 美保  仙台高等専門学校, 総合工学科, 准教授 (70369982)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2026-03-31
Keywords算額 / 和算 / 赤外線カメラ撮影 / 史料学 / 絵馬 / 関流
Outline of Annual Research Achievements

本研究が扱う算額とは、奉納者が和算の問題や解答方法を書いて神社仏閣に奉納した絵馬の一種である。本研究では、算額が歴史研究にほとんど活用されてこなかった研究状況を踏まえ、算額の歴史資料としての掘り起こしと、算額を用いた歴史研究の一例を示し、現状の打破を目指している。2023年度の研究実績は以下の通りである。
①調査 :今年度は宮城県北部の栗原地域を中心として2回4寺社での算額の現地調査を実施した(9月22日貴船神社、9月26日玖光院・牟良佐喜神社・熊野神社)。調査では、算額の寸法を計測し、デジタルカメラおよび赤外線カメラで撮影を行った。その画像データをもとに文字を翻刻し、算題の内容を検討した。
貴船神社と玖光院の算額は未発表のものであり、とくに貴船神社の算額は墨がかなり薄れていて判読が困難な状態になっていた。今後、それぞれ論文化していく予定である。その一方、牟良佐喜神社は無人で、算額は屋外に掲げられていて保管状態が良くなく、20年ほどまえに撮影された写真よりも劣化しているように思われた。市の文化財に指定されているようだが、地域社会の変容によって神社や文化財の管理ができなくなっている状況を示しており、こういった寺社は今後も増えることが危惧される。
②学会発表 :全国和算研究大会で、研究分担者の谷垣美保が研究発表をおこなった。
③論文の公表 :調査を行った算額のうち、栗原市瀬峰の熊野神社の算額に関して、論文化して発表をおこなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2023年度は、地元の和算研究者の協力を得られたことから、活発な調査活動ができた。2022年度に宮城県南部の調査をおこなって特性を検討したところだが、2023年度は県北部の算額を集中的に調査することができ、同じ仙台藩領であっても、それぞれ全く異なる和算文化の広がりが見られることがわかってきた。
2023年度の調査で得られた算額の情報のなかには判読が難航しているものもあり、2024年度の論文化を目指している。
以上により、おおむね順調に進展していると評価できる。

Strategy for Future Research Activity

1)算額の調査
宮城県南部と北部の調査がかなり進んできたので、今後は宮城県中部の仙台地域から沿岸部にかけて算額調査を進めていく予定である。
2)南東北算額データベースの作成
宮城県については終了している。現在岩手県に着手したところで、2024年中の完成を目指している。岩手県の算額データベースは、宮城県北部との関連が深いと予想されるため、完成を急ぐ必要がある。
3)江戸の数学道場に関する調査と研究
関流が江戸に開いた数学道場(長谷川道場)について、調査と研究を進める。未だわかっていないことが多くあるが、和算の最大流派である関流の道場であり、そこには仙台藩の人物が多く関わっていたことも知られており、宮城県の和算の状況との関連が認められると予想している。

Causes of Carryover

配分されたうち、60986円を次年度使用額に繰り越すこととなった理由としては、研究代表者である徳竹が、勤務校の業務の都合で全国和算研究大会に参加することができなくなり、そのために旅費の使用が少なくなってしまったためである。
次年度は学会の参加のほか、日本学士院所蔵の和算資料の調査を敢行し、予算の計画的な利用に努めたい。

  • Research Products

    (2 results)

All 2024 2023

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 瀬峰泉谷熊野神社奉納算額をめぐる諸問題2024

    • Author(s)
      徳竹亜紀子,谷垣美保,萬伸介
    • Journal Title

      仙台高等専門学校名取キャンパス研究紀要

      Volume: 60 Pages: 1-15

    • Open Access
  • [Presentation] 宮城県の算額について ―沖野八幡神社の算額―2023

    • Author(s)
      谷垣美保,徳竹亜紀子
    • Organizer
      第19回全国和算研究大会 長野佐久大会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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