• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2022 Fiscal Year Research-status Report

Discrimination and Linguistic Representation in Modern Society

Research Project

Project/Area Number 22K00874
Research InstitutionShizuoka University

Principal Investigator

黒川 みどり  静岡大学, 教育学部, 教授 (60283321)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 山田 智  静岡大学, 教育学部, 准教授 (90625211)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords差別 / 言語 / 中国 / 竹内好 / ハンセン病 / アジア
Outline of Annual Research Achievements

本年度は、第一の課題であるハンセン病、ならびにその家族をめぐる今日にいたるまでの差別のありようについて、『感染症と差別』(2022年、かもがわ出版)の著者でもありハンセン病市民学会共同代表を務める弁護士徳田靖之氏と、ハンセン病の歴史研究をリードしてきた藤野豊氏と、定期的にオンラインによる研究会をもち、ハンセン病とハンセン病家族をめぐる差別のありようについて、部落問題とも比較しながら議論を重ねてきた。そこでは、社会構造の問題を問う重要性に行き当たり、天皇制社会が内包するウチとソトの弁別、それを分かつ「血筋」といった問題に着目すべきとの見通しを得ている。
まだその成果を文章化するにはいたっていないが、多くの知見を得ており、近い将来、ハンセン病、ならびに部落差別の根底にある差別の社会構造をまとめ上げたいと考えている。
二つ目に、部落問題については、たまたま『増補近代部落史』と題する平凡社ライブラリーを刊行する機会を得たこともあり、もう一度戦後の部落問題のありようについて問い直して、同書の戦後部分に発表した。
三つ目に研究分担者の山田を中心に、中国近代をめぐる日本の知識人の認識のありようを明らかにすべく、内藤湖南を軸にしながら、竹内好、尾崎秀実らのアジア認識について研究を行い、それを論文集に発表した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

課題に迫る基礎的な研究としてのハンセン病をめぐる差別のありよう、そして戦後部落問題の実態、近代日本の知識人の中国認識という三つを柱に研究を進めており、ほぼ計画にそいながら順調に進捗していると判断している。二つ目、三つ目についても成果を発表している。

Strategy for Future Research Activity

今後はまず、ハンセン病をめぐる差別のありようについて研究を重ねてきたことをまとめ、発表することを考えてゆきたい。
またハンセン病と部落差別、あるいは他の差別の問題をつなぐ普遍的人権について研究をふかめてゆきたい。現在一つの手がかりとして、丸山眞男が述べてきた「他者感覚」と「普遍的人権」をてがかりとしたい。
さらに竹内好に立ち返りつつ、差別問題と翻訳について研究を進めてゆきたいと考えている。

  • Research Products

    (13 results)

All 2023 2022

All Journal Article (5 results) Presentation (5 results) (of which Invited: 5 results) Book (3 results)

  • [Journal Article] 書評 平石直昭著『福澤諭吉と丸山眞男―近代日本の思想的原点』2023

    • Author(s)
      黒川みどり
    • Journal Title

      歴史評論

      Volume: 874 Pages: 103-107

  • [Journal Article] 部落史研究が歴史学のなかに位置づくことの希求 第2巻『戦時・戦後の部落問題』を編集して2022

    • Author(s)
      黒川みどり
    • Journal Title

      部落解放

      Volume: 822 Pages: 18-60

  • [Journal Article] 解説『講座近現代日本の部落問題』第2巻を中心に2022

    • Author(s)
      黒川みどり
    • Journal Title

      解放新聞

      Volume: 3040 Pages: 3

  • [Journal Article] 〈座談会〉部落問題の映像化に挑戦―ドキュメンタリー映画「私のはなし 部落のはなし」をめぐって2022

    • Author(s)
      黒川みどり
    • Journal Title

      部落解放

      Volume: 830 Pages: 86-103

  • [Journal Article] 〈座談会〉見えない部落問題を映像で描く2022

    • Author(s)
      黒川みどり
    • Journal Title

      世界

      Volume: 961 Pages: 263-268

  • [Presentation] 「歴史総合」のめざすもの―教科書の検討から2022

    • Author(s)
      黒川みどり
    • Organizer
      日本歴史学協会・日本学術会議史学委員会
    • Invited
  • [Presentation] 水平社創立100年 近代社会と向き合い水平社の歴史的意義を問う2022

    • Author(s)
      黒川みどり
    • Organizer
      久留米部落史研究会
    • Invited
  • [Presentation] 全国水平社創立100年―近代社会をみつめ水平社の歴史的意義を問う2022

    • Author(s)
      黒川みどり
    • Organizer
      部落解放第54回東日本研究集会
    • Invited
  • [Presentation] 『講座近現代日本の部落問題』第2巻を編集して2022

    • Author(s)
      黒川みどり
    • Organizer
      部落解放人権研究所第一部門(歴史)公開講座
    • Invited
  • [Presentation] 水平社百年の歴史と部落問題の今2022

    • Author(s)
      黒川みどり
    • Organizer
      京都府人権教育研究協議会
    • Invited
  • [Book] 内藤湖南研究の最前線  「内藤湖南と〈アジア主義〉の時代」2023

    • Author(s)
      山田智
    • Total Pages
      322
    • Publisher
      関西大学出版会
  • [Book] 増補近代部落史―明治から現代まで2023

    • Author(s)
      黒川みどり
    • Total Pages
      319
    • Publisher
      平凡社ライブラリー
  • [Book] 非部落民の部落問題2022

    • Author(s)
      黒川みどり 朝治武・内田龍史ほか
    • Total Pages
      273
    • Publisher
      解放出版社

URL: 

Published: 2023-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi