2022 Fiscal Year Research-status Report
高度成長期の地域変動と社会運動ー泉北における文化財保存運動と泉北教組ー
Project/Area Number |
22K00884
|
Research Institution | The Institute of Buraku Problem |
Principal Investigator |
坂井田 徹 (森下徹) 公益社団法人部落問題研究所, その他部局等, 研究員 (40529921)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 社会運動史 / 地域史 / 文化財保存運動史 / 教職員組合運動史 / 文化運動史 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の初年度となる2022年度は、研究協力者2名の協力のもと、本研究の基礎史料となる、辻田政信氏所蔵文書(以下、辻田文書)および藤並行三氏所蔵文書(以下、藤並文書。いずれも和泉市教育委員会蔵)の整理作業に取り組んだ。辻田文書は目録化がおおよそ完了し、藤並文書についても、おおよそ1/4程度の目録をとることができた。このほかにも、研究代表者は、堺市立中央図書館にて資料調査を行い、大阪における高度経済成長・地域開発および文化財保存問題に関する文献や資料、朝日新聞・毎日新聞泉州版の関連記事を収集した。 聞き取り調査については、コロナ禍ということもあり、予定通り実施することはできなかったものの、1960年代後半に和泉市立和泉中学校の郷土研究部員として、地域の歴史学習と文化財保存に取り組んだ経験をお持ちの方から、当時の体験を書面にて提供していただくことができた。 また、研究代表者は、第70回全国作文教育研究大会in大阪に参加し、「生活綴方・作文教育の歴史に学ぶ」をテーマとする分科会に出席し、社会運動史・文化運動史の研究の方法を学んだ。 2月18日には、研究代表者および研究協力者による研究会を開催した。辻田文書・藤並文書の整理作業の進捗状況とを確認するとともに、陳稀棟が「戦後日本における教職員の活動と都市地域社会―大阪の学校白書運動を中心に―」をテーマに報告し、戦後社会運動史、教員組合運動史をめぐって検討した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
辻田文書の目録化がおおよそ完了し、藤並文書についても1/4程度が目録化され、研究の基礎的な条件を整えることができた。聞き取り調査については、書面による聞き取り1件にととどまったが、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行したこともあり、2023年度からは、本格的に実施できるようにしたい。
|
Strategy for Future Research Activity |
まずは、本研究の基礎史料となる藤並文書の整理作業を優先し、2023年度中に全点の目録化を行う。それと並行して、辻田文書および藤並文書の内容検討をすすめ、主要な史料についてはデジタル化を行う。 また、堺市立中央図書館で関連文献や朝日新聞・毎日新聞・読売新聞の泉州版の調査を行うとともに、大阪府立泉大津高校地歴部所蔵史料など、文化財保存運動関連史料の収集をはかる。 2022年度は控えていた聞き取り調査についても、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行したことをふまえ、積極的に取り組む。
|
Causes of Carryover |
聞き取り予定者がご高齢であったこともあり、予定していた調査を見送ったため、次年度使用額が生じた。2023年度は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行したこともあり、聞き取り調査を積極的に実施し、助成金を計画どおり使用できるようにする。
|
Research Products
(2 results)