2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K00901
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Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
松尾 晋一 長崎県立大学, 地域創造学部, 教授 (40453237)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 長崎聞役 / 御用達 / 松平家 / 諫早家 / 幕藩制国家 / 長崎奉行所 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、近世期の長崎を対象にこれまで意識されてこなかった都市の政治機能に注目して、長崎が政治的磁場として成立する過程を解明し、この動きが幕藩制国家の政治構造に与えた影響を検証することにある。本年度は、各大名家が国元から長崎へ派遣した家臣(以下、「長崎聞役」)と長崎の御用達(商人)に注目し、それぞれの成立過程と役割を確認して、長崎奉行所と各大名家との関係を解明していくための史料調査などを行った。成果としては、長崎での夏詰とされてきた島原松平家の長崎聞役と御用達の関係を明らかにした(「長崎聞役と御用達」『日本歴史』895、令和4年12月、19~21頁)。また、長崎奉行と大名家臣との関係について諫早家(佐賀鍋島家)を事例に軍役の分析を行った(諫早市友好交流都市 出雲市・津山市三市交流展における記念講演会、「長崎警備と諫早家」令和4年12月4日、於諫早市美術・歴史館)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の研究計画に従って史料収集や分析を行ってきたが、まず史料収集については、予定通り作業を進めることができなかったところもあるので、次年度は、まずこの調査に着手したいと考えている。分析については、研究実績の概要にも記したように成果を公開することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
長崎奉行発給・受給文書の分析を通じて、長崎奉行の関係範囲を把握するとともに、活動状況と情報流通の実態を検証していく。この過程のなかで、長崎奉行所に来た長崎聞役の対応など、長崎における幕藩関係で重要な役割を担ったと考えられる長崎奉行家老にも注目し、職制の解明を目指す。
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Causes of Carryover |
コロナ禍にあって、調査が思うようにできなかったために次年度使用額が生じた。そのため研究計画を見直し、それに従って適正に使用する予定である。
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Research Products
(4 results)