2022 Fiscal Year Research-status Report
近代アーカイブズ制度と資料学研究 ーフランス古文書学校の再検討ー
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22K00941
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岡崎 敦 九州大学, 人文科学研究院, 教授 (40194336)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ヨーロッパ史 / アーカイブズ学 / 資料研究 / 歴史理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、19世紀から現代にいたるまでのフランスを対象として、アーカイブズ制度の形成、発展と、19世紀を通じてその主要なユーザーとなった実証主義歴史学との関係を、国立古文書学校の設立経緯、研究・教育内容(特に文書学の位置づけ)、教員人事や学生の就職先、古文書学校出身者の歴史学実践およびキャリア形成、さらには彼らの自己認識の変遷などの検討によって、明らかにしようとするものである。その上で、アーカイブズ管理制度と歴史学との関係という問題を、古文書学校出身者のせまい世界を越えて、より広い視野での議論へと導くために、国際的な比較の観点から、日仏の研究者を糾合して議論するシンポジウムを開催する。 2022年度は、フランスにおけるアーカイブス管理行政や国立古文書学校、さらには大学を始めとする高等研究教育の歴史に関する基礎的文献や資料の収集、整理を実施した。この際、文書資料に基づく近代実証主義歴史学の形成と変容過程全般を理解するため、17世紀から現代に至る幅広い動向に注意を払っている。特に、革命前からの文書学の形成と大規模な資料収集事業、ならびにそれらと古文書学校の形成過程との関係は重要な論点の一つである。 研究成果としては、DX時代のアーカイブス管理およびそこで要請される情報管理専門職養成のあり方の変容について、学会で報告するとともに、論文を執筆した。また、アーカイブス学やこれに密接に関係する文書学、偽文書論、印章学やフランス国立古文書学校についての概説を準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度は、当初、フランスに出張して、資料収集や現地の研究者との打ち合わせを実施する予定であったが、COVID-19にともなう海外出張の困難な状況を念頭に、これを断念した。他方、資料や文献の収集、整理、さらには基礎的な情報整理は順調に推移し、新たな論点が浮上してきた。最終年度に予定している国際研究会について、具体的なテーマの再検討が必要と考えていることなどから進捗状況はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、フランスのアーカイブス管理行政や古文書学校、そこでの研究教育の核心をなす文書学等に関する重要文献や資料の検討を続行する。研究の進展によっては、2023年度中に成果の一部を公表したい。また、最終年度に予定している日欧比較の国際研究会については、ここまでの研究成果を念頭におきながら、海外研究者と日本人研究者との調整を進める。
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Causes of Carryover |
2022年度は、当初、フランスに出張して、資料収集や現地の研究者との打ち合わせを実施する予定であったが、COVID-19にともなう海外出張の困難な状況を念頭に、これを断念した。 2023年度は、資料や文献の収集、整理、さらには研究成果の一部の公表を進めるとともに、最終年度に予定している日欧比較の国際研究会の準備を開始する。
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Research Products
(4 results)