2023 Fiscal Year Research-status Report
マイノリティの地域認識・地域理解ー地理教育による持続可能な社会の担い手の育成 ―
Project/Area Number |
22K01056
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
池庄司 規江 茨城大学, 教育学部, 准教授 (90420661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加賀美 雅弘 東京学芸大学, 教育学部, 特任教授(Ⅰ種) (60185709)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 地理教育 / 地域認識 / 地域理解 / エスニック・マイノリティ / 地域言語話者 / 南チロル人 / エスニック景観 / 伝統文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、(エスニック・)マイノリティの人びとのうち、①言語的少数派(地域言語話者)である人々と②移民した人々の子孫である児童生徒の地域認識・地域理解を解明することで、ヨーロッパにおける地域主義の動向、およびエスニック・マイノリティにとっての地理教育の意義を検討することを目的としている。 令和5年度は3年の研究期間における2年目の年度であるが、前年度は新型コロナ感染症の影響により、研究内容変更や現地調査断念を余儀なくされた。このため、令和5年度に加えて4年度に予定していた現地調査を実施することになった。池庄司は、ラントスタット内の都市における地理教育を通したエスニック・マイノリティ生徒の地域認識・地域理解について現地調査(2024年3月)を行うと同時に、フリースラント州における地理教育を通した地域言語話者フリジア人児童の地域認識・地域理解についての研究を継続して行った。一方、加賀美は北イタリアの南チロルを対象として少数民族集団のための地理教育について、文献資料および現地調査(2023年9月および2024年3月)に基づいて研究を継続した。 その結果、地理の学習がエスニック集団のアイデンティティ形成や伝統文化の維持に重要な役割を果たしてきたことを確認し、ヨーロッパのエスニック集団研究の重要な課題に位置付けることができた。グローバル化の進展とともに母国を離れて教育を受ける子どもたちやダブルルーツ/マルチルーツの子どもたちは増加の一途にある。本研究は(エスニック・)マイノリティという切り口から地理教育の在り方を模索し、マルチ・エスニックな環境を学校教育、とりわけ地理教育に活かすためのヒントを探っていくうえで参考となろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度は4年度の新型コロナ感染症による現地調査の断念等による研究の遅れを取り戻すべく研究を推進し、概ね調査の遅れを取り戻すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は本研究の最終年度に当たるため、これまでの調査・研究の総まとめを行う。
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Causes of Carryover |
池庄司は調査先の都合に合わせて2024年3~4月にかけて出張した。このため、2023年度と2024年度の研究費を合算して使用することとした。
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