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2023 Fiscal Year Research-status Report

表現の自由と自己統治論をめぐる歴史研究

Research Project

Project/Area Number 22K01145
Research InstitutionDoshisha University

Principal Investigator

桧垣 伸次  同志社大学, 法学部, 教授 (00631954)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords表現の自由 / 自己統治 / ルイス・D・ブランダイス / 表現の自由の武器化 / ラーネッド・ハンド
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、表現の自由を支える根拠としてしばしば指摘される、「自己統治」の価値について、それがアメリカの最高裁においてどのように受け入れられてきたのかを検討し、現在の表現の自由をめぐる諸問題に示唆を与えるものである。
本年度は、①1969年のブランデンバーグ対オハイオ(Brandenburg v. Ohio, 395 U.S. 444 (1969))について、その歴史的意義や判決が形成される過程について検討した。同判決について、アメリカの著名なケースブックなどでは、ルイス・D・ブランダイス裁判官およびオリバー・ウェンデル・ホームズ裁判官の「明白かつ現在の危険」の基準と、ラーネッド・ハンド裁判官の「直接の煽動」の基準を組み合わせたものであると指摘されている。本研究では、ブランダイス裁判官に大きな影響を与えたとされるハンド裁判官の表現の自由論を中心に、ブランデンバーグ基準について検討した。
また、②ロバーツ・コートの表現の自由論についても研究も行った。近年、従来の表現の自由が論じられてきた前提が揺らいでおり、なぜ表現の自由が保障されるのかについて問い直す動きもあることが指摘される。本研究では、ロバーツ・コートの諸判決や、その背景を解きほぐして検討することで、従来の表現の自由論との相違を考察した。また、近年指摘される表現の自由の「武器化」という問題について、司法行動論の観点から検討した。これらの研究結果は、2024年度前半に公表される予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究はやや遅れている。当初はブランダイス裁判官に大いに影響を与えたといわれているトマス・ジェファーソンと5世紀のギリシャ共和政について検討する予定だったが、近年の表現の自由論についても検討する必要があると感じたため、一部研究の順序を変更するなどした。そのため、当初の計画にずれが生じた。
ただし、研究に必要な文献は十分に収集できている。本年度に刊行された重要な文献の多くは入手できたため、今度の研究の準備は進んでいる。

Strategy for Future Research Activity

2024年度は、引き続きトマス・ジェファーソンと5世紀のギリシャ共和政の民主主義論がどのようなもので、それがホイットニー判決にどのように顕れているのかを検討する。また、本年度は実施できなかった、海外での資料収集を行う予定である。
2024年度は最終年度であるため、これまでの取りまとめができるよう意識して研究を行っていく。

Causes of Carryover

予定していた海外出張が年度内に実施できなかったことが主な要因である。資料収集のための海外出張や、近年高額となっている洋書の購入費にあてる予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2024 2023

All Journal Article (1 results) Book (2 results)

  • [Journal Article] ブランデンバーグ基準に関する一考察――Learned Hand裁判官の影響について考える――2023

    • Author(s)
      桧垣伸次
    • Journal Title

      同志社法学

      Volume: 75巻4号 Pages: 507-529

  • [Book] グローバル時代の人権保障2024

    • Author(s)
      吉田仁美
    • Total Pages
      310
    • Publisher
      晃洋書房
    • ISBN
      9784771038356
  • [Book] アメリカ最高裁とロバーツ・コート ―先例拘束原理の展開―2024

    • Author(s)
      宮川成雄
    • Total Pages
      352
    • Publisher
      成文堂
    • ISBN
      9784792307325

URL: 

Published: 2024-12-25  

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