• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2023 Fiscal Year Research-status Report

刑事手続における供述をめぐる現代的課題

Research Project

Project/Area Number 22K01207
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

豊崎 七絵  九州大学, 法学研究院, 教授 (50282091)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2026-03-31
Keywords裁判員裁判 / 公判供述 / 公判外供述 / 弾劾証拠
Outline of Annual Research Achievements

裁判員裁判における公判供述と公判外供述との関係について検討した。具体的には、裁判員裁判では公判外供述である供述調書はできる限り取り調べず、公判供述で賄うべきであるというポリシーの下、以前に異なる内容の供述をしていたことを理由に公判供述の信用性を弾劾するにあたっても、公判で本人が供述の変遷を認めた場合には、刑事訴訟法328条に基づく供述調書の請求は重複立証として必要性を欠くとの見解について、具体的な事例を分析しながら、その妥当性について検討した。その結果、特に供述がなされた客観的状況に関する諸要素について、証人自身の証言から明らかにすることには限界があり、その意味において直ちに重複立証になるとは断じられないとの結論に至った。そもそも刑事訴訟法328条は、実質証拠ではなく、弾劾証拠としての公判外供述に証拠能力を認めるものであり、公判中心主義とは矛盾しない。なぜなら供述内容の信用性が問われている本丸は公判供述だからである。また証人尋問だけでは公判供述の信用性が否定されない場合、公判外供述である供述調書を取り調べる前にその必要性はないと判断してしまうのは、証拠予断の禁止に抵触する。
なおこの問題は、再審請求審で旧証拠である公判供述の信用性を弾劾するため、新証拠として公判外供述である供述調書を提出した場合、その新規性をどのように判断するかという問題にも繋がるものである。
以上について、研究成果としての論文を執筆することができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究成果としての論文を執筆することができた。

Strategy for Future Research Activity

本研究のテーマについて造詣の深い研究者や実務家へのインタビュー調査を行い、問題の所在と解決策について、具体的に検討するように努める。

Causes of Carryover

本年度はインタビュー調査の実施がなかったため、次年度使用額が生じたものである。次年度はインタビュー調査を実施する予定である。

URL: 

Published: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi