2023 Fiscal Year Research-status Report
集中改革プランの研究:地方自治体はいかにして冗長性を失っていったのか
Project/Area Number |
22K01307
|
Research Institution | Dokkyo University |
Principal Investigator |
大谷 基道 獨協大学, 法学部, 教授 (80705939)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲継 裕昭 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (90289108)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 集中改革プラン / 地方自治体の定員管理 / 中央地方関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、①「集中改革プランの計画期間中にどの程度の削減が行われたのか」、その実態を明確にするため、定員純減率が低い3県(埼玉県、千葉県、愛知県)における計画期間前後の組織・定員の状況について、(一社)地方行財政調査会が毎年実施している調査の結果と各県の職員名簿を用いて整理した。これにより、②「集中改革プランによる定員削減は自治体組織の冗長性をどう変えたのか」という点についても、合わせて整理・把握することができた。また、③「集中改革プランによる大幅な定員削減がどのように行われたのか」という点について、前出3県の当時の公表資料や新聞記事等を整理・分析した。 これら①~③に関する今年度の調査結果と前年度の調査結果を照らし合わせることにより、定員削減のペースや組織再編の状況に一定程度の共通性が存在すると思われることなど、これまで明確になっていなかった事項が相当程度明らかになった。最終的な結果は、当時の担当者へのインタビュー調査により補完のうえ論文として公表する予定であるが、集中改革プランが及ぼした影響の実態解明に大きな貢献をなすものと思われる。 なお、そのインタビュー調査については、各県の人事・組織担当課の業務繁忙期を避け、上半期中に実施する予定であったが、研究代表者が全治3か月の怪我を負って移動が困難になったため、令和6年度に繰り延べることとした。 また、令和5年度から地方公務員の定年引上げが開始され、各県は60歳を超える職員を定員内で相当数抱えることになったが、その際に新規採用を抑制して職員数を増やさないようにしている県、新規採用を抑制せず職員数の増加を容認している県など、対応に差が生じているとの情報に接した。そこで、多くの県が職員数の抑制に動いた集中改革プラン時との比較を行い、この間の対応の違いが何によって生じているのかについても文献調査を開始したところである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
文献調査は概ね順調に実施できた。その一方で、当時の担当者へのインタビュー調査については、各県の人事・組織担当課の業務繁忙期を避け、上半期中に実施する予定であったが、研究代表者が全治3か月の怪我を負って移動が困難になったため、令和6年度に繰り延べることとした。
|
Strategy for Future Research Activity |
残りの研究期間においては、これまで繰り延べとしたものも含め、当時の担当者へのインタビュー調査を集中して実施する予定である。その結果とこれまでの文献調査の結果をまとめた論文については、令和6年度中に第1弾を公刊する方向で進めている。
|
Causes of Carryover |
インタビュー調査が令和6年度に繰り延べとなったため。
|