2023 Fiscal Year Research-status Report
Chinese Diplomacy towards Africa: resource diplomacy, infrastructure development, and state-owned enterprises
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22K01380
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
吉川 純恵 専修大学, 法学部, 講師 (50756228)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 中国外交 / 対アフリカ外交 / 国有企業 / 対外政策決定 / 一帯一路 / 地方政府 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、研究資料の収集と検討、研究報告と論文の執筆を行った。研究資料の収集では中国の対外政策決定と対アフリカ外交についての英語、中国、日本語の研究成果を収集し検討を加えた。台湾とアメリカで研究報告を行い、専門家からの意見をもらうことが出来た。
研究論文“China and Angola:From the Pioneering Angolan Model to a New Relationship”では、中国とアンゴラの関係の変遷を、中国の国有企業の動きとアンゴラ新政府の政策転換という二つの視点から考察した。
中国は2000年代に西アフリカのアンゴラに多額の融資を行い、融資の返済としてアンゴラの石油を獲得してきた。中国の融資を石油などのエネルギー資源で返済する契約上の取り決めは、「アンゴラ・モデル」と呼ばれた。しかし、中国の多額の融資はアンゴラのごく一部のエリート層を潤し、汚職問題が深刻化した。2014年以降は世界的に原油価格が下落し、アンゴラは経済的苦境に陥った。アンゴラの石油生産量もピークに達していた。石油を担保に融資を受ける「アンゴラ・モデル」の維持は、困難になった。2018年からのアンゴラの新政権は、非石油産業を発展させ、経済の多様化を模索している。中国とアンゴラにとって依然として石油が最重要であることに変わりはないが、両国間の協力関係は石油以外の幅広い分野に徐々に拡大しつつあることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、専修大学長期在外研究員として台湾と米国で研究に専念する機会を得た。研究報告を行い、論文を4本執筆することができた。研究報告と論文執筆を通して、研究仮説の検証および理論化の作業が進んだ。今後の事例分析で明確にすべき点も明らかになった。論文は2024年度に公刊予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、引き続き研究論文の執筆と修正を行う。また国内外での研究者との意見交換と、学会報告を予定している。
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Causes of Carryover |
英文校閲費として使用する予定だったが、次年度に繰り越した。論文を修正した上で同目的で使用する。
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