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2023 Fiscal Year Research-status Report

女性社外取締役の複数社兼務と評判維持行動および企業パフォーマンスへの効果

Research Project

Project/Area Number 22K01446
Research InstitutionMusashino University

Principal Investigator

新倉 博明  武蔵野大学, 経済学部, 准教授 (00823395)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 瀬古 美喜  武蔵野大学, 経済学部, 名誉教授 (60120490)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2026-03-31
Keywordsコーポレート・ガバナンス / 取締役 / 女性活躍 / 企業業績
Outline of Annual Research Achievements

本研究は近年の女性活躍推進という政策目標が企業のパフォーマンスを向上させているかという視点に基づいて、企業の女性社外取締役割合の向上が、女性社外取締役の複数社兼務を増加させている点に着目している。社外取締役にはコーポレートガバナンスの観点からモニタリング機能とアドバイス機能が期待されるが、兼務数の増加に伴い、それらの機能が充分に発揮できないことが予測される。それは、社外取締役が一社当たりに注力できる時間が低下するためである。しかしながら、女性取締役の数の向上という目標の達成のために、企業は社外取締役に女性を登用することに注力するため、社外取締役が本来持つべき役割が果たせない可能性がある。
本研究はこうした観点から、ジェンダーによって、複数社兼務の社外取締役は、規模の大きな企業に偏って時間を費やすことで、自身の評判を維持する行動が見られているのではないか、という点と、取締役会の女性割合と兼務状況、及び取締役の独立性が企業パフォーマンスに与える効果を検証し、女性の役員登用に向けた政策提言の留意点を提示するものである。
こうした研究に必要なデータは販売されておらず、独自に調査して構築する必要がある。分析に必要なデータは、東証一部上場企業及び東証プライム上場企業の取締役、監査役がそれぞれ取締役会、監査役会に何回出席し、当該企業の取締役会、監査役会は何回開催されていたかを性別を含めて測定したデータである。こうしたデータは、従来の研究において収集されたことがない。今年度は当初1年分のデータ収集を予定していたものの、予定よりデータ収集が進み、2年分のデータを収集することができた。これにより、分析の幅が大きく広がった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今年度は役員データ(東洋経済新報社2021年9月版)を購入した。これは取締役や監査役の氏名・性別が含まれているデータである。 そして、独自に調査しなければならないデータとして、2020年度、2021年度の東証一部上場企業における、社外取締役および社外監査役の取締役会参加回数、取締役会開催数、監査役会参加回数、監査役会開催数のデータの収集が完了した。これらのデータを組み合わせ、更に個別企業の業績データを組み合わせて 分析している。 企業の業績データは日経Needs CGESより収集が完了した。これら三つのデータを統合して分析を進めている。記述統計量の算出やジェンダーカテゴリーのデータ分析を行っているところ、複数社兼務、ジェンダー、取締役会参加回数に関する新たな知見が得られている。これを経済学的な分析によって検証を進めている。

Strategy for Future Research Activity

本研究で使用するすべてのデータの収集が済んでいないため、2024年度も当初計画の通り、社外取締役および社外監査役の取締役会参加回数、取締役会開催数、監査役会参加回数、監査役会開催数の調査収集を進めていく。また、役員データおよび企業の業績データも2023年度と同様に新しい年度の版を収集する。これらのデータを2023年度に調査したデータと組み合わせることで、企業のパネルデータを構築することが可能である。これによって、時間を通じた分析ができる。分析は統計ソフトウェアSTATAを主に使用する。2024年度はデータの調査収集を進めながら、2023年度に収集できたデータを使った分析も行っていく予定である。既に収集しているデータで分析が可能となってきたため、この結果をまとめて公表する予定である。

Causes of Carryover

本研究で使用する統計ソフトウェアSTATAについて、今年度本研究費での購入が不要となったためである。

URL: 

Published: 2024-12-25  

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