2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K01518
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
宮崎 浩一 広島大学, 人間社会科学研究科(社), 教授 (80749713)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 育児休業制度 / 労働市場 / サーチ・モデル / コミットメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は2つのプロジェクトを進めた. 一つ目は, 昨年度から行なっていた標準的な労働市場におけるサーチ・モデルの中に育児休業制度を組み込んだモデルの分析ならびに結果を論文にまとめるという作業であった. この研究成果を"Efficiency-enhancing role of mandatory leave policy in a search-theoretic model of the labor market"としてまとめ, 8月にオーストラリアのNew South Wales大学で開催されたEconometric Society Australasian Meetingで報告を行った. 同じく9月には日本経済学会において報告を行った. 両報告とも参加者から多くのコメント等をもらうことができ, 本研究のその後の改善に役に立っている. 二つ目は, dynamic contractの枠組みの中で最適な育児休業制度を特徴づけるという, 以前からの研究をさらに進展させた. この研究は"A model of optimal parental leave policies"としてまとめ, 学術誌へ投稿をした. その後, 改訂要求が来ており, その要求に応えるために本論文を改訂しているところである. これらの2つの研究は休業制度が社会に存在すべき経済学的な理由について正当性を与える研究結果となっているが, それぞれ異なる理由を挙げているという点が面白い点だと考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は2つの研究論文を執筆することができ, 研究報告なども行うことができたため, おおむね順調に進展していると考えてよいかと思う.
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Strategy for Future Research Activity |
まず, 本年度に論文としてまとめた2本の論文を学術誌への掲載までつなげたい. その後, ここまでの研究成果をもとに, さらに発展させた理論モデルの構築および解析に努めたいと考えている.
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Causes of Carryover |
本年度は8月に国際学会への参加が決まり旅費が想定よりも多くなると予想されたこと, そして持ち運びのパソコンの調子が少々悪いと感じたため次年度に予定していたパソコンの購入を前倒しで行った方がいいのではないかと考えたこと, この2点から本年度の予算だけではその後の研究活動に支障が出る可能性もあると考え, 次年度の予算から前倒しで30万円を受け取った. 本年度は何とかパソコンの調子を維持することができたため, 本年度はパソコンの購入をせず, 当初の予定通り, 次年度に最新のパソコンを購入することにしたため, 次年度に235,739円繰り越すこととなった. 次年度の予算と持ち越した約23万円を用いて, 学会等への参加や論文の英文校正費用, 新しいパソコンの購入を行う予定である.
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Research Products
(2 results)