2023 Fiscal Year Research-status Report
Consideration on meanings of Russian first census in modern history
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22K01597
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
塩谷 昌史 大阪公立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (70312684)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ロシア / 国勢調査 / 内務省 / 中央統計委員会 / 徴兵制 / 人頭税 / 国際統計会議 / 財務省 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度については、ウクライナ紛争の続行により、ロシアへの訪問が困難であったため、代わりにヘルシンキにあるフィンランド国立図書館の「スラブ図書館」を訪問し、ロシア内務省・中央統計委員会の資料を閲覧した。19世紀にフィンランドはロシアの保護国であったため、主要な文献・雑誌・公文書はヘルシンキの図書館に所蔵されている。第1回ロシア国勢調査に関する貴重な資料を閲覧することができた。 この資料閲覧により、国勢調査の質問票を20以上の多言語で準備していたことが理解できた。当時のロシア帝国は多民族国家であり、ロシア語以外にも、タタール語、テュルク語、アラビア語、モンゴル語等、数多くの言語が話されていた。ロシア語を理解できない人々にも調査に回答してもらえるよう、多言語での質問票を調査したのは、可能な限り、多くの人々から回答を得たいとする行政側の熱意が感じられる。 この文献閲覧を基に、令和6年1月27日に立命館大学(衣笠キャンパス)で行われた「エスニシティ研究会」(主催者は森永貴子・文学部教授)で、「ロシア第1回国勢調査に関わる諸問題への対応について」というタイトルで研究報告を行った。 また、令和6年5月11日に東京都立大学で開催された、社会経済史学会全国大会の自由論題報告で、「エスニシティ研究会」と同一のタイトルで報告を行った。報告の際に司会を務めてただいた、石原俊時先生(東京大学教授)、東出加奈子(大阪成蹊大学教授)、玉木俊明先生(京都産業大学教授)から貴重なアドヴァイスをいただいた。これらのアドヴァイスを基に草稿を改善し、学会誌『社会経済史学』に近日中に投稿する予定である。 令和6年度中にウクライナ紛争が続きそうなら、再度、フィンランド国立図書館を訪れ、内務省・中央統計委員会の資料を閲覧したいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題は、ロシア第1回国勢調査の再検討であり、本来であれば、ロシア(サンクト・ペテルブルク)の国立公文書館を訪ね、文書閲覧を予定していたが、2022年2月以降、ウクライナ紛争が生じ、日本の外務省からロシア渡航を控えるよう勧告が出ているため、ロシアを訪れることができない。そのため、当初の予定通りには、研究が進んでいない。 しかし、ロシア以外にも、旧ロシア帝国の領土に存在した、主要な図書館には当時の代表的文献が揃っていることを、最近になって知ることができた。具体的には、フィンランド国立図書館の「スラブ図書館」には、当時のロシアの代表的新聞・雑誌・文献等が揃っており、ロシア訪問と全く同じというわけではないが、本研究課題に関わる資料が豊富に蔵書されていることを現地で確認した。今後もロシア渡航が困難な状況が続くようなら、フィンランド国立図書館を訪ねることで、研究を進めていきたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の方針であるが、令和5年度の研究については、すでに触れたように、5月11日に社会経済史学会第93回全国大会の自由論題報告で、「ロシア第1回国勢調査に関わる諸問題への対応について」というタイトルで報告した。報告後のアフターセッションで、複数の先生方から貴重なコメントをいただいた、そのコメントを反映する形で、報告原稿を改善した後に、学会誌『社会経済史学』に論文を投稿する予定である。 また、令和6年度は、まだロシアへの渡航は難しそうなので、夏休み中に、再度、フィンランド国立図書館を訪ね、ロシア内務省・中央統計委員会に関わる資料を閲覧し、研究を進めていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
令和4年度はロシアに渡航し、文献調査を行おうと考えていたが、直前にウクライナ紛争が始まり、ロシアを訪問することができなくなり、令和4年度の交付費を全く使えない状況になったためである。 令和5年度も、なおロシアに渡航できない状況であったため、代わりにフィンランドの国立図書館を訪れ、ロシア内務省・中央統計委員会に関する資料を閲覧した。 令和6年度に交付金が余りそうであれば、研究期間の延長申請を行い、令和7年度も研究を継続したいと考えている。
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