2023 Fiscal Year Research-status Report
中小工場経営からみる輸出雑貨工業史:戦前日本のマッチ製造・販売に関する実証研究
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22K01610
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
山口 明日香 名古屋市立大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (60733144)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | マッチ(燐寸) / 輸出雑貨工業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、戦前日本のマッチ製造業者の経営活動を一次史料に基づいて考察し、その意義と限界を解明することである。具体的内容は、白鹿記念酒造博物館に所蔵されている辰馬本家のマッチ製造・販売に関する一次史料を利用し、①マッチ製造業者による生産コストの削減や品質維持のための対応を考察すること、②マッチ製造業者と委託販売先との関係の変化を考察すること、の2つで構成されている。 2022年度と2023年度は、一次史料の調査・収集およびその他の関連資料の収集を計画しており、①に必要な史料調査を中心に行った2022年度に続き、2023年度は②に必要な史料調査を中心に行なった。その結果、白鹿記念酒造博物館に所蔵されているマッチ関連史料のうち、現在把握されているものについては、ほぼ調査・収集を完了することができた。さらに、国立国会図書館や各大学図書館が所蔵する図書資料やデジタル化資料を利用し、辰馬本家のマッチ製造に関わる人物やマッチ原料供給者、およびマッチ工業一般についての資料を収集したほか、三井文庫においてマッチ工業に関する資料の調査・収集を行った。また、以上の資料調査・収集と並行し、これまでに収集した史料の解読を進め、原料調達を中心に辰馬本家のマッチ工場の経営活動について分析を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた一次史料の収集と史料の解読・分析を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、(1)収集した史料の解読・分析を進めるとともに、(2)補足的に資料収集を継続する。
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Causes of Carryover |
文具購入費が予定より下回ったために若干差異が生じた。翌年度の文具購入費に当てる。
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