2023 Fiscal Year Research-status Report
Theorizing the second-person approach to the pathways through which organizations emerge
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22K01698
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 智明 京都大学, 経営管理研究部, 非常勤講師 (30812143)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アントレプレナーシップ / パートナーシップ / ことばの交換 / 二人称的アプローチ / 語りの共同生成 / 危機 / レジリエンス / 支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、起業家がスタートアップ企業の上場を目指す中での他者との関係の喪失、生成、発達の動態的なプロセスをモデル化し、組織が生まれる道筋を理論化することである。この目的を達成するために、以下の3点を行った。第1に、一人の連続起業家との対話を繰り返すこととその対話の逐語記録を作成することである。第2に、蓄積された対話の逐語記録から組織が生まれる道筋のプロセスのモデルを生成することである。第3に、プロセスのモデルが生成された文脈として、起業家と研究者との関わり合いのプロセスを記述することである。 本年度は、当初の計画通り、以下の3点に取り組んだ。 (1)連続起業家の乃村一政氏との対話の実施とその逐語記録の蓄積を行う「ことばの交換」は、2011年4月21日から2023年8月までに計52回を実施した。今後も本調査を継続予定である。また、日本画家で学術研究を推進する石田翔太氏との「ことばの交換」を2023年3月2日より実施し、2024年3月2日までに計7回を実施した。 (2)2023年6月25日に開催された2023年度組織学会研究発表大会と7月9日に開催された企業家研究フォーラム 2023年度年次大会で「移動のもの語りとしての早川徳次の企業家レジリエンス」と題する学会報告(共同)を行った。 (3)「企業家を支援しつづけること」(共著)と題する招待論文が学術雑誌『国民経済雑誌』第228巻第1号に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、(1)「企業家を支援しつづけること」(共著)が『国民経済雑誌』に掲載され、(2)「移動のもの語りとしての早川徳次の企業家レジリエンス」の学会報告で、「語りの共同生成」の方法論としての可能性を検討でき、アントレプレナーシップ研究への導入を進められた。したがって、本研究課題の進捗状況は「おおむね順調に進展している」と評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、組織が生まれる道筋の二人称的アプローチによる理論化という研究テーマをさらに深めるために、学術書の執筆に取組む予定である。加えて、ことばの交換や語りの共同生成に関して、アントレプレナーシップ研究の方法論としての可能性を検討するために、日本画家の石田翔太氏との共同研究を推進予定である。
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Causes of Carryover |
国際学会での報告をせず、外国旅費を計上していないため、その分は次年度に繰り越しすることとなった。
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