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2022 Fiscal Year Research-status Report

小売ビジネスモデルの構成要素の組み合わせと成果の関係-fsQCAを用いた実証研究

Research Project

Project/Area Number 22K01755
Research InstitutionHosei University

Principal Investigator

横山 斉理  法政大学, 経営学部, 教授 (70461126)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 金 雲鎬  日本大学, 商学部, 教授 (10410383)
東 伸一  青山学院大学, 経営学部, 教授 (70368554)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2026-03-31
KeywordsfsQCA / 小売ビジネスモデル / 小売業態 / 異業態間競争
Outline of Annual Research Achievements

2022年度は当初計画通り、小売ビジネスモデル(以下、RBM)と方法論としての質的比較分析(以下、QCA)を用いた研究のレビューを実施した。
RBMに関しては、その構成要素についてのメタ研究が2019年に発表されて以降、経験的な研究はまだ蓄積していないことが明らかになった。その理由について現在、研究分担者と議論しているところだが、当初の想定通り、既存研究が依拠してきた分析アプローチ(分散ベースの統計手法)が足枷になっている可能性が高い。RBM研究のレビューの意義は、世界の小売研究における本研究課題の学術的な位置付けを明確にできたことである。
一方、QCAを用いた学術研究のレビューでは、当該方法論の進展と研究者コミュニティにおけるコンセンサスを把握することができた。ビジネス・マネジメント領域でQCAを用いた研究の蓄積が増えたのは2010年代の後半だが、それでも当該領域において多くの研究が発表されてきた現状が明らかになった。加えて、分析手順や妥当性の指標、頑健性の確認など、方法論としての発展も認められた。こうした動向を把握することは、本研究成果の発表(論文化)をスムースにすると言う点で重要であった。
QCAに関しては、方法としての特徴と流通・マーケティング研究への適用について国内学会で発表することで日本国内の研究者と議論を行った。これにより方法の理解が進むと共に、国内研究者コミュニティにおけるコンセンサスの形成に寄与できたと思われる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

おおむね順調に進展している理由は、本研究課題の初期フェーズが文献サーベイが中心となっているためである。
文献サーベイの進展はおおむね当初計画通りであった。小売研究をレビューすることで、小売ビジネスモデルの構成要素と、2022年度時点での研究者コミュニティにおけるfsQCAの方法論上の位置付けを確認することができた。QCAについては、研究者コミュニティでのコンセンサスは未だ形成段階にあるようである。関連文献をレビューすることにより、ある研究では報告されている指標が他の研究では報告されていないといった状況を確認することができたが、分析手順はほぼ定まっていると判断してよい状況であった。
一方、資料整理の進展は、文献サーベイほど順調ではなかった。小売ビジネスモデルに関する資料の渉猟範囲を決めるには概念の定義が必要となるが、これは小売ビジネスモデルに関する文献のレビューの進捗に依存するからである。そのため、資料の渉猟と整理は継続して実施していく。

Strategy for Future Research Activity

今後は、小売ビジネスモデル研究とfsQCAを用いた小売研究の文献サーベイを継続しつつ、小売ビジネスモデルに関する資料の渉猟・整理を進める。さらに、研究計画の第2フェーズである探索的な定性的調査を進めていく。小売業は歴史、空間を含む研究コンテクストの影響を受けやすい領域であるため、調査対象およびコンテクストの選定がきわめて重要になる。資料と文献サーベイから得られた知見を研究分担者と共有・議論し、定性的調査の準備を進めていく。ただし、小売企業やサードパーティ企業への聞き取り調査が必要となる場合は、コンプライアンスの遵守が強調される中で実施できるかどうか、そしてそれを研究に活かす許可が得られるかが鍵になる。これらについては、研究分担者と連携して進めていくが、諸事情により1次データが得られない場合は2次データでも研究が進められるように準備しておく。

Causes of Carryover

次年度使用額が生じた主な理由は、予定していた国際会議への参加を断念したためである。これに伴い、海外旅費と英文校閲費の拠出がなくなり使用額に変更が生じた。差額の使用計画は、海外旅費と英文校閲費に拠出予定である。本研究プロジェクトは計3名の研究者が緊密に連携しながら進める計画になっているものの、申請金額の上限により、国際会議等に参加する人数を制限していたが、上述の使用額の変更により、2023年度以降の国際会議等への参加人数を増やすことができる。これにより、より研究進捗に貢献する研究者間の議論を期待できる。

  • Research Products

    (4 results)

All 2023 2022

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 2 results) Presentation (2 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Journal Article] The impact of e-retail usage on relative retail patronage formation2023

    • Author(s)
      Yokoyama, N., Azuma, N. and, Kim, W.
    • Journal Title

      International Journal of Retail & Distribution Management

      Volume: 51(13) Pages: 16-32

    • DOI

      10.1108/IJRDM-04-2022-0142

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] 質的比較分析(QCA: Qualitative Comparative Analysis)の流通研究における可能性についての一考察2022

    • Author(s)
      東 伸一
    • Journal Title

      マーケティング史研究

      Volume: 1 Pages: 204~225

    • DOI

      10.51102/jmhr.1.2_204

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] QCA(質的比較分析)の特徴と流通・マーケティングにおける実際2023

    • Author(s)
      金雲鎬・横山斉理・東伸一
    • Organizer
      日本商業学会北海道部会3月部会研究会
    • Invited
  • [Presentation] 質的比較分析 (QCA: Qualitative Comparative Analysis) :流通・商業、マーケティング研究における QCA の可能性の検討と アプリケーション fsQCA のハンズオン・セッション2022

    • Author(s)
      金雲鎬・横山斉理・東伸一
    • Organizer
      日本商業学会関東部会9月部会研究会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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