2022 Fiscal Year Research-status Report
Test to systematize Japanese sound-symbolic
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22K01767
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Research Institution | Chiba University of Commerce |
Principal Investigator |
越川 靖子 千葉商科大学, 商経学部, 准教授 (40550968)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 音象徴 / 日本語 / ブランドネーム / 清音 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度の計画は、10から70代の各年代、方言4区画で男女別なし、各世代100名程度で、五十音の清音に関するイメージの大規模調査をウェブで行い、調査結果の特徴の違い等を明らかにするためにSPSSを用いて相関分析を行い、かつ、区分や様々な組合せでクラスター分析を行い、各クラスターおよびクラスター間の相違を分析・考察するとしている。 初めての大規模調査ということもあり、調査会社との相談を重ねた。機械音声のフリーソフトを用いて研究者自身で音声を数パターン作成し、その中から最も聞き取りやすい音声の五十音を被験者に聞いてもらい、意味の異なる20の形容詞から音のイメージに合うものを選択してもらった。調書では複数回答としたが、明確にするために1つのみの回答に変更した。この変更により調査結果の各年代・各区画と特徴を浮き彫りにすることができたといえる。また、各世代・各方言区画で25名程度としていたが、追加調査を行い30名以上に増やした。これは調査途中の結果から、被験者数を増やすことで、興味深く有意なデータが取れると判断したためである。 膨大なデータ整理を行うことに慣れておらず、思いの外時間がかかってしまった。しかし、整理をしながら興味深い結果が出てきており、この結果が有意か否かを現在様々な統計手法を用いて分析している。 現時点で、私たちや言語学でいわれている通説と異なる点が多く出てきている。例えば、「あ」は明るいといわれているが、若年層ほどそのイメージはなく、年齢層が上がるほどこのイメージをもっているということがわかった。逆にどの区分・世代でも通説とイメージが同じものもあった。さらに、場所(方言4区画)ではなく年代層によってイメージが全く異なる音もあり、地理的ギャップではなく、年代層による違いを意識する必要があることを改めて認識させられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現時点では調書通りの進度である。 提出調書における令和4年度の計画は、①10から70代の各年代、方言4区画で男女別なし、各世代100名程度で、五十音の清音に関するイメージの大規模調査をウェブで行い、②調査結果の分析・考察をするとしている。①に関しては、初めての大規模調査ということもあり、調査会社との相談を重ねた。機械音声で作成した五十音を被験者に聞いてもらい、意味の異なる20の形容詞から音のイメージに合うものを選択してもらった。調書では複数回答としたが、明確にするために1つのみの回答に変更した。一度に50音の調査をすると被験者が疲れてしまい精度が下がるということから、同一人物に対して2回に分割して行った。これにより当初想定よりも時間がかかった。各世代・各方言区画で25名程度としていたが、追加調査を行い30名以上に増やした。これは調査途中の結果から、被験者数を増やすことで、興味深く有意なデータが取れると判断したためである。②に関しては、膨大なデータ整理を行うことに慣れておらず、思いの外時間がかかってしまった。しかし、整理をしながら興味深い結果が出てきており、この結果が有意か否かを現在様々な統計手法を用いて分析している。これら結果および考察に関して論文執筆を始めている。この点を含めると調書よりも若干進んでいるともいえる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は、「だ」や「ぱ」といった清音以外の濁音・拗音・撥音の調査を行う。令和4年度とやり方は同じであるため、手順は把握しており令和4年度と比較して円滑に進めることができると考えられる。今回も大規模な調査になるため早めに開始したい。令和4年度は科研費交付決定から夏休み以降の開始となりかつ初回ということもあり様々な作業が想定より後ろ倒しになった感覚があるが、令和5年度は早めに調査を開始し結果のデータ整理・分析・考察を行っていきたい。これにより、学会や論文発表を前倒しで行っていくことができるといえる。論文執筆とあわせて、令和6年度の調査も少しずつ進めていきたいと考えている。五十音各音の調査・結果も必要だが、私たちは単語という音の連なりでイメージを判断していることもあり、早めに進めて多くの時間をとることでより深い考察に繋がるといえる。
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Causes of Carryover |
本研究費の調書作成時に調査会社に見積もりを依頼し、その金額を必要経費として申請をした。交付後、複数の他の調査会社にも見積もり依頼をし、かつ、本アンケート調査を実施可能かも相談したところ、当初調査を予定していた企業よりもクロスマーケティングの方が価格および調査内容が良く実施することとなった。そのため、当初予定より若干安く調査することができた。令和5年度も同様の調査を行うが、令和4年度よりも音数が多いため、令和5年度交付金額と合わせて令和4年度交付金額残金を使用することになると考えられる。
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