2022 Fiscal Year Research-status Report
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22K01848
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
関 嘉寛 関西学院大学, 社会学部, 教授 (30314347)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | アクションリサーチ / ボランティア / 社会的紐帯 / まちづくり / 災害復興 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、研究者やボランティアや学生などの外部者が当事者とともに社会的紐帯の希薄化という社会課題の改善・解決を目指す中で、課題解決力を持った社会学的な知見を、アクションリサーチという方法論を用いて生み出すことを目的としている。 アクションリサーチでは、このように継続的に現場に赴き、当事者と一緒に現場の課題を確認し、その解消・改善に向けて活動をおこなう必要がある。そのために、新潟県小千谷市などの被災地での復興まちづくりや兵庫県西宮市や尼崎市での居場所づくり活動に定期的に通い、活動者や住民などと活動の課題やこれからの活動計画などについて話し合い、実際に活動を一緒におこなった。具体的には、高齢化が進む復興まちづくり活動においていかに外部者との関係を変容させていくかということが話し合われ、具体的な方策が考えられた。居場所づくりでは、地域における多様な居場所をいかに横につなげ、顕在化されていない課題(例えば、引きこもりなど)に対して地域が対応することが可能なのかについて話し合いをおこない、活動を展開した。 また、オーストラリア・メルボルン大学のProf. Ogawaと本研究の進捗状況や方向性について検討するために、出張をおこなった。その際、現地の研究者と情報交換をおこなうため、Program Seminarで発表をおこなった。また、Prof. Ogawaとは、すでに共同でARの著作の翻訳を進めた。 さらに、アクションリサーチの成果を国際的に発表し、意見交換する場を持った。具体的には、韓国ソウル大学(オンライン)、ドイツ・フランクフルト大学(対面)での発表やワークショップをおこなった。 そして、ほかの科研成果と合わせて、日本社会学会において発表をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概要にも示したとおり、計画していたアクションリサーチが定期的におこなわれた。それぞれのアクションリサーチにおいて、当事者や活動者などとの意見交流や活動がおこなえた。また、Prof. Ogawaとはアクションリサーチに対する意見交換が行え、アクションリサーチの翻訳も進んだ。 そして、学術大会2回、国際的ワークショップ2回の発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、当初計画していたとおり、アクションリサーチを3つの被災地(新潟県小千谷市、岩手県野田村、熊本県益城町)で行うと同時に、兵庫県西宮市と尼崎市での居場所づくり活動で行う。 また、適宜、学術大会などで発表を行う。
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Causes of Carryover |
アクションリサーチが進行中のため、調査データや資料の整理のためのアルバイタ経費や情報提供者等への謝金などが発生しなかったため、人件費・謝金が発生しなかった。そのため、次年度使用額が生じた。次年度使用額は、人件費・謝金(情報提供謝金や通訳謝金)に充てる。
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