Migrant women workers in Pandemic

2022 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 22K01864
• Research Institution: Wako University
• Principal Investigator: 佐伯 芳子 和光大学, 現代人間学部, 客員研究員 (00774241)
• Project Period (FY): 2022-04-01 – 2025-03-31
• Keywords: 移住女性労働者 / COVID-19 / フィリピン出身女性 / リモートワーク

Outline of Annual Research Achievements

一般企業で働く移住女性労働者を対象に、パンデミックによる「働き方」の変容とその影響をWeb調査により把握し、ジェンダーとシティズンシップの視点から分析して政策課題を明らかにすることが本研究の目的のひとつである。対象は、厚生労働省「外国人雇用状況届出状況報告」でもその数が第3位となっているフィリピン出身者で、オフィスワーカーとして東京で働く女性に限定する。
Covid-19のパンデミックによる影響は、トランスナショナルに移動してきた移住女性労働者には、特別の問題が生じていると予想される。そのため仕事や職場でみられる影響と家族や母国との関係などの実態を可視化するための調査の準備を進めてきた。
調査設計のために、この2年間に蓄積された先行研究を収集した。内閣府やJILPTなどでの調査や研究論文、文献などを網羅的に把握した。その内容は流動的であったが、研究視点や質問方法を参考とした。
一方、これまでにつながりのあるフィリピン出身女性3名に対して、対面による交流やインタビュー調査を重ねた。その結果、Covid-19の下でのリモートによる仕事の状況やどのように生活して乗り切ってきたか、また同郷者に起こった事件などリアルな実態を把握することができた。調査方法について、調査票を配布することに協力できるという意向を確認できたので、Web調査とペーパー調査を同時に行うこととした。調査設計の大枠をもとに具体的な調査項目を作成し、プレ調査的にフィリピン出身女性による検証を行い、調査実施の準備を整えることができた。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

COVID-19パンデミックが移住女性労働者の労働と生活に及ぼした影響を調査することを予定していた。対面が無理との判断で、Web調査で行う予定であったが、フィリピン出身女性にインタビューした結果、現実を可視化するためにはWeb調査だけでなく、調査の趣旨をより正確に伝え調査協力を依頼できるペーパー調査も行う必要があることを感じた。
コロナの感染対策が変更になり、技能実習や特定技能などを中心に外国人労働力をめぐる政策論議の活発化など移住労働者をめぐる情勢は変化している。したがって現在の情勢をできるだけ反映できる調査項目の作成をめざすことにした。調査方法と調査項目の変更によりやや遅れている状況である。

Strategy for Future Research Activity

Covid-19パンデミックの移住女性労働者への影響の調査を実施する。コロナをめぐる情勢が変化し、2023年5月から感染対策が変わることになった。したがって、調査内容も再度検討し、コロナ前と比較してどのように変化してきたか、とともに、コロナ後となった時に何が起こっているかまでを射程にいれた調査を行いたい。
調査設計及び調査票の作成準備は進んでおり、Web調査とペーパー調査を同時に実施する。2023年度においてすべての調査を行い、集計分析を終了する。シティズンシップとジェンダーの視点から分析を行い政策課題を見出すとともに、その結果を踏まえて国際研究会を開催する。
本研究では、移住女性労働者のシティズンシップ保障の支援の主体として労働組合を位置づけている。国際研究会にはフィリピンの労働組合を招へいし、移住女性労働者のシティズンシップと労働組合におけるジェンダー平等をテーマとする。2024年度の早い時期に実施できるようにフィリピンの労働組合と招聘する時期について連絡を取り、会場等の設定など準備を進めていく。

Causes of Carryover

学会や研究会はオンラインの開催が多かったために、旅費等の支出が少なくなった。
アルバイト雇用を予定していたが、対面の作業等が困難であったために次年度に雇用することとした。