2023 Fiscal Year Research-status Report
Migrant women workers in Pandemic
Project/Area Number |
22K01864
|
Research Institution | Wako University |
Principal Investigator |
佐伯 芳子 和光大学, 現代人間学部, 客員研究員 (00774241)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | COVID-19 / パンデミック / 移住女性 / フィリピン / 移住女性労働者 / オフィスワーカー / 東京 |
Outline of Annual Research Achievements |
東京で働くフィリピン出身女性働者がCOVID-19パンデミック(2020年~2022年)の間とその後に労働と生活の両面でどのような状況にあったかを把握することを目的としてWebと調査用紙による移住女性労働者調査「Survey of migrant female workers: Focusing on women from the Philippines who work in Tokyo」を2023年11月~12月に実施した。 調査票は英語で作成しバックトランスレーションを行った。調査方法は、スノーボウル方式でフィリピン出身女性4名の協力者を基点とし、業種・職種を問わず知り合いや教会等で調査票を配布し、また調査用のWebを知らせて回答を募った。回収はWeb回答 32件、郵送回答68件で合計100件。調査内容は、①個人的属性、②COVID-19が労働と生活に与えた影響、③現在の雇用状況、④リモートワーク、⑤賃金、⑥職場の差別等、⑦健康とリプロダクティブ・ヘルス、という7分野で63問である。 回答者の特徴としては、オフィスワーカーが34人で最も多く、母国での学歴は8割以上が大学やカレッジ、大学院などの高等教育を受けており、年齢は20歳代から70歳代まで多様であるが特に50歳代・60歳代が多く、永住者が多いことなどがあげられ、フィリピン出身女性の多様性と定住が進んでいることがはっきりした。 コロナ禍で出国できないというリスクに対して母国の家族とはSNSを使って頻繁に連絡を取り、日本国内では教会のグループでフィリピン出身者がZOOMでつながりをもつなどICTがコロナ禍での孤立を避けるための重要なツールとなっていたことが明らかになった。回答者のなかに家事労働者が15名含まれており、その実態を把握して総体的調査とすべく追加調査を実施する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍をめぐっては、感染症法上の位置づけが2023年5月に2類から5類に代るなど情勢の変化が著しく調査内容をできるだけ現在の状況に沿ったものにするために、既に準備していた内容の再検討を重ねた。その結果Webと調査用紙による移住女性労働者調査(Survey of migrant female workers: Focusing on women from the Philippines who work in Tokyo)は2023年11月から本格的に実施することとなった。 研究実施計画では、今年度にフィリピンの労働組合との国際研究会を実施する予定であったが、調査に全力を傾注せざるを得なかったので、フィリピンの労働組合の招聘は次年度に延期することとした。
|
Strategy for Future Research Activity |
移住女性のシティズンシップのあり方を探るためには、総合的にフィリピン出身女性の労働実態を把握することが必要である。移住女性労働者調査でアプローチしたオフィスワーカーとともに、追加調査として家事労働者の実態を把握する調査を行う。 さらに、移住女性労働者の送出国であるフィリピンの労働組合を招聘し、送出国と受入れ国との移住女性労働者をテーマとした国際研究会を実施する。
|
Causes of Carryover |
フィリピンの労働組合の役員を招聘して国際研究会を実施する予定であったが、次年度に延期したことによる。次年度に計画通り実施する。
|