2023 Fiscal Year Research-status Report
スポーツ教授場面における指導者と選手・生徒の相互行為分析
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22K01932
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
渡 正 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 先任准教授 (30508289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 貴裕 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 先任准教授 (00621731)
中田 学 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 助教 (20773617)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | エスノメソドロジー / 指導の相互行為分析 / 体育授業 / スポーツコーチング |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、当初予定では、スポーツ教授場面のビデオデータの蓄積を行うことを目的としていた。対象としたスポーツ教授場面は、競技スポーツ場面(チームスポーツ、個人スポーツ)、体育指導場面(通常学校、特別支援学校)とした。 ビデオデータの蓄積については、まず共同研究者とともに、大学トップレベルのバレーボールチームの練習場面についてビデオ2台を用いて、1台あたり約10時間分の録画およびコーチの指導・声がけをワイヤレスマイクにて録音を行った。次に個人スポーツの指導場面として、千葉県にある民間テニスクラブにおいて車いすテニスのレッスン場面を7回、2台のビデオカメラを用いて1台あたり、約10時間分の録画およびコーチの指導・声がけをワイヤレスマイクを用いて録音した。また、通常学校の体育授業場面について、小学校2年生と6年生の体育の授業についてそれぞれ1単元分、計6回の授業について撮影および教諭の声がけの録音を行うことができた。これらのビデオデータについては、ビデオデータの確認および音声データの文字起こしを継続して行っている。 このうち、車いすテニスのデータについては、その一部を予備的に分析し、車いすテニスに特徴的な指導のあり方を一部抽出し、検討した。特に、車いすテニスの指導において立位のテニスとの違いは、先行研究でも指摘されていたように車椅子の特性との関連において生じていることが明らかとなった。指導においてコーチは車椅子を動かし続けることを参加者(レッスン生)全員に強調していた。これは、車椅子の特性によって浮上するコーチングのポイントを構成している。すなわち、車いすテニスの指導とは、この点をまず意識することによって成立すると言える。これはコーチングを始める者にとっての一つの指導方法のチュートリアルとして整理できる部分である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の研究は、当初の研究計画に従い、ビデオデータを蓄積することが主眼となっていた。撮影したビデオデータは、体育授業、個人スポーツのレッスン、競技スポーツの練習場面と異なるスポーツ教授場面であり、本研究が目標とする体育指導の標準的形式の抽出のためにバラエティに富んだ内容とすることができた。また、2022年度に実施した予備的な研究を論文化することができた点は本研究全体にとって順調な進展と評価できる。さらに、車いすテニスの指導場面については本年度に2回の成果発表を実施することができた点は順調な進展であったと評価することができる。 しかしながら、いずれのデータもより多くの時間の撮影が今後必要である点、特別支援学校の体育授業や他の競技場面におけるビデオデータの収集をまだ行うことができていない点は、当初予定より遅れが生じていると判断せざるを得ない。 以上のことから、やや遅れていると評価することが妥当と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、当初の計画においてはビデオデータの分析を、社会学・エスノメソドロジーの研究者や体育・コーチングの専門家とともにデータセッションを行い進めることとしている。その計画に従い、これまでのデータの分析を進める予定である。データの取得も継続して実施する。具体的には昨年度まで行っていた、競技スポーツ(バレー)、車いすテニス、体育の授業のデータの蓄積を進めるとともに、特別支援学校の体育授業、バレー以外の競技スポーツ、車いすテニス以外のパラスポーツ場面についてデータ収集を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
2023年度のデータ収集において、やや遅れが生じた。特に研究分担者が担当する特別支援学校、競技スポーツ場面のデータ取得に遅れが生じたため必要な機材の準備ができなかった。また、特にデータのトランスクリプト化のための人件費支出が本年度行えなかったことが次年度使用額が生じた大きな理由である。 2024年は、2023年度の経験をもとにより解像度の高い動画・音声の取得のための機材整備およびトランスクリプト化を早急に完了するための人件費等に経費支出する。またデータセッションを行う際の専門家の交通費・謝金支出を行うとともに、成果発表のための旅費交通費支出を行う。いずれの経費についても過剰な支出や機器整備とならないよう適切に使用していく。
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Research Products
(4 results)