2022 Fiscal Year Research-status Report
Life course study of the disability person and child by constructing household panel data.
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22K01981
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Research Institution | Shizuoka University of Art and Culture |
Principal Investigator |
小林 淑恵 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 准教授 (70726116)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 障害者 / ライフコース / 教育から社会への移行 / パネルデータ / 社会資源 / 地域福祉 / 親なき後 / 親の会 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、障害を持つ方の教育から社会移行や就労変化、自立、離家(りけ)の状況といったライフコースと社会的資源の活用状況を定量的に明らかにし、その規定要因に分析を試みる。また親亡き後の生活への準備や、実際に親なき後の生活をしている者の支援状況等の把握を行い、今後の必要な支援、制度を明らかにし障害福祉へ貢献することを目的としている。 令和4年度は研究初年度であり、まず研究代表者が所属する大学と地域、および行政による官民連携活動(障害者文化芸術活動支援事業)等を通じて地域の障害を持つ方のニーズを知るとともに、関連団体(親の会)との連携と信頼関係の構築を図った。これにより静岡県内に留まらず、全国のネットワークを用いた調査への全面的な協力を得られることとなり、全国調査の実施が決まった。 連携する協力団体と調査の枠組みを検討するための委員会(打合せ)を行い、調査の依頼・回収方法、謝金の付与と効果、調査内容等について具体的な擦り合わせを行った。また調査システムを構築、実施する事業者の選定と関する打ち合わせを行い、調査スキームを確定した。さらに調査内容について確定するために、既存調査・文献等の整理を行い、『障害を持つ方のライフコースと親なき後の生活に関する調査』の調査票(案)の作成を行った。また同時に依頼文書、同意文書等、必要文書等の準備も進め、さらに調査内容を大学の調査倫理委員会に諮るための準備も行った。 総じて初年度は調査のための準備に終始したが、これにより次年度の円滑な実施と研究の遂行、また調査目的の達成につながると確信している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画に調査の準備期間を十分に含めておらず、初年度から実査を開始としていたが、実際には協力団体との信頼関係の構築や情報収集のために相当の時間が必要であった。令和4年度は別途、官民連携活動(障害者文化芸術活動支援)を行っており、この活動に集中的にエフォートを投じることとなった。しかしこの活動における参加団体と、本研究のステークホルダーは重複しており、活動を通じて地域の障害を持つ方のニーズを知るとともに、関連団体(親の会)との信頼関係が構築された。これにより本調査は当初、静岡県内で実施する予定であったが、大規模なネットワークを用いた全国調査として行うことが決まり、全面的な協力を得られることとなった。そういった理由から、今年度は調査の実施には至らなかったものの、大変有意義な準備期間となったと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
実行計画からの遅れはあるものの、令和5年度の早い時期には円滑に調査を開始できる見込みである。これまでの検討を生かし、情報の管理や倫理に配慮した信頼性の高い調査の実施を行いたい。 本調査では謝金は、WEB上で利用できるポイント付与方式を取るが、協力団体での過去調査では謝金支払による調査はこれまで行われていないことから、具体的な回収数の見込みが付かない状況である。そのため、謝金の付与については先着方式、抽選方式などの検討を行っている。新しい仕組みの使用は事業者も経験が少なく、シミュレーションを十分に行う必要があると考えている。 また検討を通じて、調査の回答者が「親・親族」の場合と「(親なき後の)支援者」の場合とで、明確に調査内容を分けることとした。回答が少ないことが予測される「支援者」の場合については、親の会のネットワークよりも福祉事業所のネットワークからの依頼が効果的であると考えられ、この場合、別途調査スキームを検討する必要がある。本課題とは別に、次の課題として取り上げる必要があると感じている。
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Causes of Carryover |
令和4年度は研究初年度であり、まず研究代表者が所属する大学と地域、および行政による官民連携活動(障害者文化芸術活動支援事業)等を通じて地域の障害を持つ方のニーズを知るとともに、関連団体(親の会)との連携と信頼関係の構築を図った。これにより静岡県内に留まらず、全国のネットワークを用いた調査への全面的な協力を得られることとなり、全国調査の実施が決まったが、調査の実施には至らなかった。そのため、(謝金を含む)調査費用の使用が次年度への持ち越しとなった。
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