2022 Fiscal Year Research-status Report
児童家庭支援センターと乳児院・児童養護施設の連携による福祉心理学的な地域支援
Project/Area Number |
22K02026
|
Research Institution | Fukuoka Jo Gakuin University |
Principal Investigator |
大迫 秀樹 福岡女学院大学, 人間関係学部, 教授 (50412474)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白澤 早苗 福岡女学院大学, 人間関係学部, 教授 (50389243)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 児童家庭支援センター / 乳児院 / 児童養護施設 / 福祉心理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近年、児童福祉施設では、入所児へのケアとともに、多機能化の方針のもと、地域支援の役割も非常に重要になってきていることから、施設における地域支援(子育て支援、里親支援や養育ボランティアの養成など)の役割の拡充につき、主に、福祉心理学的援助(心理職の役割含む)の観点から解明しようとするものである。具体的には、全国の児童家庭支援センターに対し、①アンケートによる概要調査、②実地インタビューによる詳細な調査、③実際の施設での有効な取り組みの構築・実践及び評価の実施という内容で進め、特に併設の乳児院や児童養護施設との連携・協働に注目し、有効かつ具体性のある方策の提言に結び付けていくことなどを大きな目的としている。 本年度は、当初の予定では、全国規模のアンケート調査を予定していたが、本研究の基礎資料を得るために実施している全国の施設等を対象にした「乳児院・児童養護施設及び里親養育における乳幼児からの連続性を持った心理的ケア」に関する研究(JPSP科研費18K 02095)が感染症の影響により実地調査等が大幅に遅れていたため、そちらに時間をかける割合が多くなり、本研究自体への取り組みはやや滞った。ただし、研究内容はつながりのある一連のものであり、研究の中では、乳児院や児童養護施設と児童家庭支援センターが併設している施設も少なくないことから、関連する情報の把握にも努めた。また、全国児童家庭支援センター協議会の全国大会(熊本)へ参加して、分科会の助言者を務める等、全国の児童家庭支援センターに関する種々の情報収集を行った。また、心理臨床学会や福祉心理学会などにも参加し、知見を深めた。これらにより、本研究の遂行に必要な情報収集や施設との関係づくりなどができたため、今後の研究を進めていくための準備を進めることができたと評価している。今後速やかに、具体的な内容の実行に移行していく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画では、初年度には、全国の児童家庭支援センターに対し、概況を把握するため、アンケートによる質問紙調査を行い、次年度以降には、実地インタビューによる詳細な調査、実際の施設での有効な取り組みの構築・実践及び評価の実施という内容で進めていく予定としていた。 しかしながら、感染症拡大の影響を受けて、研究計画全体の変更が生じたことから、特に今年度については、先行する「乳児院・児童養護施設及び里親養育における乳幼児からの連続性を持った心理的ケア」に関する研究(JPSP科研費18K 02095)を進めつつ、同時に、児童家庭支援センターと併設の乳児院や児童養護施設との連携・協働に関する情報の収集を行ったこと、また、全国児童家庭支援センター協議会の全国大会(熊本)へ参加すること等によって、アンケート調査につながる準備段階としての詳細な情報の収集に努めたことなどによる。そのため、当初の計画からは、アンケート調査に続いて実施する予定の実地調査から得られる有効な取り組みの把握、具体的な実践の提案や検証の段階へと至る道筋が、やや遅れて進捗しているためである。
|
Strategy for Future Research Activity |
感染症の影響がかなり小さくなり、対面での協議会や学会の開催が増えるなどしてきていることから、研究の基盤となる情報収集が進みつつある。また、その後の実地調査のめども立ちつつある。このことから、本年度は、アンケート調査の実施に取り掛かる予定である。その後、調査分析を進めるとともに、当初の予定に従って、続く、実地インタビューによる詳細な調査、実際の施設での有効な取り組みの構築・実践及び評価の実施という内容で進めていくこととしたい。また、データの収集や分析が終了した段階で、得られた知見から、順次、その成果を学会発表にもつなげていきたい。
|
Causes of Carryover |
感染症の影響等により、研究計画が変更となり、アンケート調査実施にかかる費用、実地調査に関する費用(旅費等)、その他の費用を持ちこしているためである。次年度においては、当初の予定に従って、まず、アンケート調査を実施していく予定である。そして、それ以降は、実地調査等を行う予定としている。今後は、可能な限り、当初の予定に従って研究を進めていくため、それに伴う人件費、旅費、その他の費用が必要となる。概ね、当初の予定をスライドして使用することとしている。
|
Research Products
(1 results)