2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K02049
|
Research Institution | Doho University |
Principal Investigator |
宮地 菜穂子 同朋大学, 社会福祉学部, 准教授 (00892481)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
Keywords | 社会的養護 / 自立支援 / ケアリーバー / アフターケア / 子ども家庭福祉 / 児童養護施設 / 里親・ファミリーホーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、いかなる要因が支援者と社会的養護経験者との繋がりの維持に寄与しているのかを明らかにすることである。 2022年度は、研究目的を達成するための3つの柱のうち、1つ目の柱である「社会的養護経験者の生活状況・繋がり状況を明らかにする」ことを目指してアンケート調査を実施した。本調査は、A県内の児童養護施設等の支援者を回答者とし、2017年4月~2022年3月の過去5年間に15歳以上で退所等(施設養護や家庭養護から措置等解除)した者を対象としており、施設および里親・ファミリーホームの社会的養護経験者449ケースを回収した。 さらに、2つ目の柱「アフターケアの現状を明らかにする」ことを目指し、同県内の支援者を対象としたアンケート調査を実施した。本調査は、施設養護及び家庭養護の支援者によるアフターケアの実施状況を捉えることを目的としており、児童養護施設および児童心理治療施設23か所、および里親・ファミリーホーム21世帯の支援者より調査票を回収した。 また、3つ目の柱「社会的養護経験者との繋がりの維持に関連する要因の分析」についても、回収時期が早かった児童養護施設等退所者についてのデータを基にした要因分析を予定より早く進めることができ、発表準備も順調に進行している。 社会的養護経験者本人および支援者へのインタビュー調査の準備も並行して計画通り、進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
申請時の調査・分析スケジュールでは、1年目(2022年度)は、児童養護施設等退所者を対象とした調査のみ実施する予定であった。しかし、協力団体の理解と協力を得ることができたため、準備を予定よりも順調に進めることができた。そのため、2年目(2023年度)実施予定の里親家庭等委託解除者を対象とした調査も1年目に実施を完了することができた。 また、「社会的養護経験者との繋がりの維持に関連する要因の分析」についても、児童養護施設等からの回収時期が早かったことから、児童養護施設等退所者についての要因分析に予定より早く着手することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
2年目以降、社会的養護経験者本人および支援者へのインタビュー調査を予定している。社会的養護経験者本人については、できるだけ措置解除直後であり追跡調査が可能な協力者の選定し、丁寧な説明の上で調査を依頼し、実施するという手順で進めていく。 また2年目は、1年目に回収した児童養護施設等退所者および里親等委託解除者の量的データを基にして、支援者との繋がりの維持に寄与する要因に関する分析を行い、結果の公表、論文化を進めていく。
|