2023 Fiscal Year Research-status Report
障害福祉分野おけるピアサポーターと専門職の協働に関する研究
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22K02077
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
岩崎 香 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (20365563)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ピアサポート / 協働 / 障害福祉サービス / 福祉専門職 |
Outline of Annual Research Achievements |
ピアサポーターと専門職の協働の実現と職場環境との関係性については、実証されているのかというと経験的な判断でしかない。ピアサポーターのバーンアウトや離職のすべてが職場の環境に依るものではないが、ピアサポーターの登場はこれまで福祉専門職を中心として成り立ってきた組織の変革を求めることにもなる。近年、障害領域で雇用されているピアサポーターの活動は国内外でも、プラスの効果が徐々に示されてきているが、日本での位置づけはまだ不安定なままである。福祉サービスにおけるピアサポーターと専門職の協働どのような環境が整えば促進されるのかを明らかにすることは、ピアサポーターの利益になると同時に障害福祉サービスの質の向上につながると考え、研究に着手した。 初年度はコロナウィルスの影響もあり、プレ調査を実施するに留まった。2023年度は、2021年度からピアサポート体制加算の対象となっている自立生活援助、地域移行支援及び地域定着支援、計画相談支援等の事業を実施しており、長年ピアサポーターを雇用してきた実績のある社会福祉法人やNPO法人の職員を対象とするインタビューを実施した。内容は、福祉サービス事業所でピアサポーターと一緒に働き始めたきっかけやその時に感じていたこと、ピアサポーターと一緒に働く中で感じていること(困難や工夫、意義などについて)、ピアサポーターが今より多く障害福祉サービス事業所ではたらけるために必要だと感じる条件などである。今後、雇用されているピアサポーター等へのインタビュー調査を実施し、ピアサポーターと専門職の協働が何によって促進され、ピアサポーターが何によって疎外されるのかということを明らかにした上で、ピアサポーターの専門性が活用され、専門職と協働できる仕組みについての提案を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度はコロナウィルスの影響もあり、研究への着手が遅れた。また、障害福祉サービスにおいて、ピアサポート体制加算の計上が始まって数年しか経過していない現状から、調査対象者の選定に苦慮したことを含め、計画よりも少し遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、障害福祉サービス事業所等で働くピアサポーターを対象とした調査及び、障害福祉サービス事業所を対象としたピアサポーターの配置に関するアンケート調査を実施したいと考えている。
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Causes of Carryover |
初年度以降、コロナウィルスの影響や調査対象とした加算を取得している事業所数が思うように伸びなかったこと等で、調査計画が思うように進まなかった。今年度は、障害福祉サービス事業所等に勤務するピアサポーターを対象としたインタビュー調査及び、障害福祉サービス事業所を対象としたアンケート調査を実施する予定である。
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