2023 Fiscal Year Research-status Report
ヒト化学IoTセンサと感性AI計測の融合による「おいしさ」知覚情報システムの創製
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22K02100
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Research Institution | Hokkaido University of Science |
Principal Investigator |
小島 洋一郎 北海道科学大学, 工学部, 教授 (50300504)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | センサシステム / 食品 / 計測 / 評価 / 画像解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
■FoodとTechnologyを融合した造語であるフードテック(FoodTech)は、AIやIoTなど様々なテクノロジーを駆使して食に関する多様な各種問題を解決に導き、食の可能性を大きく広げていく技術として、注目を集めている。多くある事例の一つとして、災害時に役立つ食材開発や、多様化する消費者のニーズに応え予測するマーケティングへの応用がある。 ■本研究では、食品産業分野へAI・IoT・データサイエンスを網羅的に利活用して,人手不足の解消や様々な課題解決に向けた「おいしさ」の評価を継続して進めている。 ■2023年度は、昨年に引き続き高額で高精度な分析装置を使用せず、身近にあるイメージセンサ、例えばスマートフォンのカメラや理化学機器を利用して、迅速で廉価な分類の可能性を目指してきた。実験手順を示す。1)実験試料の撮影、2)撮影画像を画像処理ソフトにより RGB の色データ値を取得、3)RGB 値の分析処理、4)試料間の差異をクラスター分析などの多変量解析や機械学習より評価した。使用した試料は同系色を示し、製造企業が異なる液体とした。画像データとその分析から茶系食品の簡易な分類の可能性を示すことが出来た。また、RGB 要素と教師なしクラスター分析により、数値データに留まらない視覚的な評価を迅速に行えた。この研究により、おいしさと官能評価、各種分析機器評価との関連性や、五感を代替する各種分析機器にて食品の客観的数値化の可能性が得られた。また、消費者の受容を促すための感覚マーケティング、特に複数の感覚のクロスモーダル対応への取組に着手し始めることができ、新たな視点での評価指標の探索になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内外での研究を参考にし、解析手法を新たに構築できたことにより順調に進展した。本申請と系統的に似通る研究結果との差異化を図ることで、新規性を目指している。
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Strategy for Future Research Activity |
国内や海外にて発表された研究指針との本質的な相違を調査検討し、本研究の独自性や新規性をこれまで以上に伸ばすよう、研究開発の推進を行う。 今後は、様々な機械学習のアルゴリズムとディープラーニングを駆使して、コンピュータビジョンの技術との融合を図る。センサから得られたデータの数値信号解析や本手法によるシステムの性能評価基準を明らかにする。アルゴリズムの性能を向上させるため、ハイパーパラメータのオートチューニング開発を進めると同時に、未知のデータに対する予測・分類の精度を高めることを目指す。
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Causes of Carryover |
コロナ禍、ならびに、国内外における研究調査をもとに方針を変更する必要があった。今後の研究をさらに早め、計画を立案し迅速な実施に結び付ける。 現在、ヒトの視覚情報を代替するカメラ並びにセンサの利活用に注力している。表色系として一般的なRGBだけでなく、これに距離などの深度デプスセンサを追加し、3次元への対応を予定している。3Dセンサは、産業分野で重要な役割をはたしており、スマートフォンやロボットの普及により、一般家庭の機器にも組み込まれるようになったが非常に高額であるため、これらを代替する多くの物理・化学計測機器を安価に購入し、新たなシステム開発も検討中である。コロナ禍により国際学会への参加を見送らざるを得なかったが、成果報告のためオセアニア・東南アジア圏へ出張を行う予定である。
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[Presentation] 食品画像データ解析と機械学習モデルによる同系色液体の分類2023
Author(s)
三船光貴,小島伊織,合田元清,伊藤佳卓,一戸善弘,木村尚仁,渡部智希,横山徹,北間正祟,小島洋一郎,岩波俊介,石川勇人
Organizer
日本食品工学会第24回(2023年度)年次大会
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[Presentation] 液状食品のL*a*b*色空間と物性データを用いた分類評価の基礎的検討2023
Author(s)
三船光貴,小島伊織,合田元清,伊藤佳卓,一戸善弘,木村尚仁,渡部智希,横山徹,北間正祟,小島洋一郎,岩波俊介,石川勇人
Organizer
第40回センサ・マイクロマシンと応用システムシンポジウム