2023 Fiscal Year Research-status Report
Exploring ways of supporting teachers' well-being and professional learning process in preschool culture.
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22K02390
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Research Institution | Tokyo Kasei University |
Principal Investigator |
野口 隆子 東京家政大学, 子ども支援学部, 教授 (30383334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋田 喜代美 学習院大学, 文学部, 教授 (00242107)
箕輪 潤子 武蔵野大学, 教育学部, 教授 (00458663)
門田 理世 西南学院大学, 人間科学部, 教授 (10352197)
淀川 裕美 千葉大学, 教育学部, 准教授 (60773158)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 保育者のウェルビーイングに関する研究動向 / 園内研修における保育者と園長の学び / 効果的な園運営方略における対話とウェルビーイング / 小・中学校教師の保育実習における保育文化と断絶 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、園文化において保育者一人ひとりが尊重され安心・安定しながら、同僚との信頼関係を築き、主体的に学ぶ意義を見出し、そこで経験する苦悩や葛藤をいかに乗り越え、熟考や変容に至るのか、保育者の専門的学びのプロセスにおいて保育者が感じる「断絶(disjuncture)」とウェルビーイングについて調査し、保育者を取り巻く園文化との関連性並びにその特徴を明らかにすることを目的とする。令和5年度の研究実績は、1)国内及び国際学会に参加し、研究発表・討議を実施した。また、保育者の労働環境やウェルビーイングに関する研究がみられており、研究者との交流及び関連文献の収集をおこなった。保育者の属する保育環境と専門的学びとの関連をさらに明らかにすることが必要である。2)令和4年度のフィールド参加を経て、令和5年度は予備調査を実施した。課題となった留め置き法によるデータ収集の改善、園内研修内でおこる学びや気付きと研修後の実践化の実態を明らかにするデータ収集計画の見直しをおこなった。3)保育の園文化の特徴を明らかにするため、小学校・中学校の保育所参加実習による園内研修において生じる「断絶」の可能性を観察及びフォーカスグループインタビュー、質問紙によって調査し、論文化した。4)保育者の「断絶」によって生じる情動と回復・ウェルビーイングの実態、支援的園組織・園文化、ソーシャルキャピタルとの関連性を検討する匿名による任意の大規模調査に向けて、質問紙を作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
理由
新型コロナウィルス感染対策、共同研究者の育休・産休などの事情から研究計画の見直しをおこなった。大規模質問紙調査を先行して進める予定であったが、可能な実践観察や研修の調査と分析、論文化を優先した。また国際情勢や価格高騰の影響を懸念していたものの、現段階で明らかとなっている知見をEECERA(ヨーロッパ乳幼児教育学会)第31回大会にて発表することを優先した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度の研究予定として、次の4点を実施する。 第1に、園・保育者を対象とした園内研修のフィールド調査、園内研修及び保育実践に関する記録、インタビュー調査を数回実施し、質的検討をおこなう。第2に、作成中の保育者の「断絶」によるネガティブな情動と回復・ウェルビーイングを支える園組織・園文化、ソーシャルキャピタルに関する大規模調査を実施する。第3に、EECERA(ヨーロッパ乳幼児教育学会)第32回大会(イギリス・ブライトン大学)にて現在までに明らかとなった点について自主シンポジウムをおこなう。自主シンポジウムは審査の結果受理済み。加えて、第4に保育者のウェルビーイングに関する国内外の論文レビューをおこない、保育者の専門的発達との関連をふまえた理論的モデルを検討する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍及び共同研究者の産休・育休取得により、当初の研究計画を見直した。現在データ収集方法の見直しと改善を検討し、研究を継続している。また、国内主要学会がオンライン開催となったり、共同研究者との打ち合わせはビジネスアプリを使用することで物理的移動が生じなかった。一方で、世界情勢の変化により旅費の執行にあたって価格高騰がおこっており、予算を確保する必要が生じた。令和6年度にも国際学会参加と成果の発表を予定しているため、執行予定である。
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Research Products
(5 results)