2022 Fiscal Year Research-status Report
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22K02565
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Research Institution | Kobe City College of Technology |
Principal Investigator |
石原 のり子 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (90759169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林田 定男 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (50713682)
竹中 喜一 愛媛大学, 教育・学生支援機構, 准教授 (80834100)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 国語教育 / 古典教育 / 日本文学 / ルーブリック / 学習指導要領 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30(2018)年3月に高等学校の新学習指導要領が告示された。国語科は、共通必履修科目として「現代の国語」「言語文化」、選択科目として「論理国語」「文学国語」「国語表現」「古典探究」が新設された。共通必履修科目である「現代の国語」の指導事項には、「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」が全て含まれている。一方の共通必履修科目である「言語文化」には指導事項「話すこと・聞くこと」領域に属するものが含まれていない。しかし、「言語文化」において取り扱われる古典文学作品は、「話すこと・聞くこと」の力を育成する教材としても十分に耐えうる潜在性を秘めている。本研究は、この潜在性を現代社会の要請に応えられる能力を育成するものとして顕在化させる。そして、教材としての古典文学作品を有効に活用・教授し、現代教育における古典の位置づけ(再評価)および新たな授業モデル(教材開発、授業方法、評価方法)を確立することが目的である。 本年度は、まず「言語文化」所載の「比べ読み」についての調査から始めた。それは、大きく3つのタイプに分類できる。すなわち、(1)文学作品とその典拠との比較、(2)同テーマを取り扱った文章の比較、(3)文学作品(和歌)とその現代語訳との比較である。現行教科書における「比べ読み」の多くは、ある文学作品とその典拠の比較であることがわかった。そこで単なる典拠との比較にとどまらず、異なる作品あるいは同じ作品内における類似するシチュエーションの記述を教材として用いて、比べ読みを行い、学習者に共通点と相違点を認識させることを目指す。現在までに、『枕草子』と『紫式部日記』、『栄花物語』と『大鏡』、『源氏物語』などの用例を収集し、教材の開発を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の蔓延のため出張が制限され、研究分担者との打ち合わせがオンラインに限定されたことなどにより、ルーブリックの作成などの点に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度から授業実践を共同で行う予定であった研究分担者が異動になったため、研究遂行のための計画を大幅に変更する必要が生じた。2023年度は教材およびルーブリックの開発に専念し、授業実践は次年度以降に行うことも視野に入れる。
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Causes of Carryover |
令和4年度に予定していた出張が勤務校の規定により実施できなかったため、差額が生じた。新型コロナウィルス感染症対策の規制が緩和されるため、令和5年度に使用する。
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