2023 Fiscal Year Research-status Report
「多様性」をめぐる学力を形成する中学校教科横断型カリキュラムの開発
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22K02615
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Research Institution | Shitennoji University |
Principal Investigator |
永田 麻詠 (原田麻詠) 四天王寺大学, 教育学部, 教授 (10612228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福若 眞人 阪南大学, 流通学部, 准教授 (50844445)
西口 卓磨 四天王寺大学, 教育学部, 助教 (90877820)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 多様性をめぐる学力 / 当事者性 / 発達 / 中学校 / 教科横断型カリキュラム / 批判的リテラシー / 人権 / エンパワメント |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、「多様性」をめぐる学力について明らかにするために、国内外における学力論について考察を行った。特に、OECDが示すキー・コンピテンシーや education 2030、agency などについて取り上げ、本研究では「学力」をどのようにとらえるのか検討してきた。そのうえで、日本が学力論に関する国際的な動向をどのように受けとめているのか、あるいは、学習指導要領や中央教育審議会答申にはどのような学力観が見られるのかについて議論を深めてきた。あわせて、発達の観点から「多様性」をめぐる学力を素描することや、「多様性」をめぐる学力をいかに評価できるのかなどについても検討してきた。 以上のことから2023年度では、「多様性」をめぐる学力を次のように措定している。 【知識及び技能】情動を含む自己そのものや、自己と他者の間にある問題を認識し表現する 【思考力・判断力・表現力等】直面する課題を社会的なものととらえ、「ふつう」とされる見方・考え方を吟味し価値判断する 【学びに向かう力、人間性等】多様性を自分ごととして考えたことから問題解決を図り、行為を創造する
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度では引き続き、文献収集を行いつつ「多様性」をめぐる学力について詳細を素描することができた。特に、中学校段階の教科横断型カリキュラムを提案するために、発達を観点に「多様性」をめぐる学力の内実を明らかにしようとした点や、提案する学力やカリキュラムについて、評価をどのように描くことが可能なのかについても検討することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度以降は、これまでの研究成果を実践可能な形に整え、教科横断型カリキュラムとしてその一部を試行することを行う予定である。そのためにも、まずは国語科、社会科、特別の教科道徳それぞれの観点から教科横断的に実践案を考案する。そして、各教科の固有性を抽出し、「多様性」をめぐる学力が従来の教科観や学力観をどのように転換するかということを明らかにする。
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Causes of Carryover |
2023年度は学会発表を予定していたが、本務校での業務等と日程が重なるなど、学会発表を行うことができなかった。そのため、予定していた旅費を執行することができず、2024年度に繰り越しとなった。2024年度では学会発表への参加を必ず実施するようにする。 そのほかでは、文献収集や印刷のためのプリンタートナー購入などに予算を使用している。文献収集や印刷関連の消耗品等については、引き続き予算を使用予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Book] 子ども白書2023
Author(s)
日本子どもを守る会編
Total Pages
191
Publisher
かもがわ出版
ISBN
9784780312812