2023 Fiscal Year Research-status Report
若年経験者教員の困り感に応える道徳科授業づくり3点セットの開発
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22K02662
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
宮里 智恵 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (70646116)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 道徳科授業づくり / 若年経験者教員 / 困り感 / 道徳科授業づくりフレーム / 若手教員 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度はその前年に行っていたアンケート調査の結果を分析・考察し「道徳科授業に対する若手教員の『困り感』-アンケート調査の結果分析を通してー」という題で「教職開発研究」第7号に投稿して掲載された。 アンケート調査はH県内の公立小中学校の若手教員(教員経験年数1年未満~5年未満)136名(小学校9校46名、中学校11校90名)を対象に「道徳授業の準備中や授業中、困ったな、どうすればよいかな、と思うこと」について自由記述で尋ねた。小学校で50個、中学校で105個の記述が得られ、これを益川(監修)、前川(著)の「道徳の授業における教師の悩みに関する研究」(2015)をもとに分類した。その結果、小学校の若手教員では「終末・まとめ」「発問全般・単調」「自分事として考えさせられない」「興味を引き付けられない」「ねらいや内容項目(価値項目)からずれていく」「板書の仕方」などが多かった。また中学校の若手教員では「発問全般・単調」「授業構成(道徳授業のつくり方全般、ねらいに迫る展開」「〇〇の内容項目が難しい(畏敬の念など)」「意見交換のさせ方」「中心発問・ねらいに迫る発問」「予想外な発言への対応」などの他、「特になし、記入がない」も見られた。 全体的な傾向として、小中学校に共通していたのは発問の悩みであった。道徳の授業は発問によって進むので、発問に関する困り感が多くなると考えられる。また、道徳の授業では予め発問を計画していても、子どもが反応したことに対し柔軟に発問を変更する必要が生じることも、道徳科の授業の難しさにつながっていると考えられる。また、発問以外の項目についても若手教員の困り感が明らかになったことは、今後開発する予定の「道徳科授業づくりフレーム」と「道徳科授業づくりチェックシート」「範となる道徳科授業DVD」に対し、大きな示唆を得ることができた。次年度の研究に生かしていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りアンケート調査を行い、その結果分析を通して「道徳科授業づくりフレーム」「道徳科授業づくりチェックシート」「範となる道徳科授業DVD」の3点セットの開発に向けて進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度はこれまでに明らかになった若手教員の道徳授業づくりの「困り感」に対し、その解消に寄与する「道徳科授業づくりフレーム」「道徳科授業づくりチェックシート」の開発を行い、それを印刷し、各校への配布を行う。
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Causes of Carryover |
次年度使用額(1,148,578円)の使用計画とそれが生じた理由は以下のとおりである。次年度はこれまでの成果の一部を発表する予定である。具体的には学会発表や学会誌への投稿、さらには、成果物の作成、印刷、配布を予定している。まず、学会発表は本年度(令和5年度)計画していたが、実現できなかった。次年度はぜひこれを実現したいと考えており、その旅費を次年度の使用額として計上したい。また、成果物(若手教員の困り感に応えるための「道徳科授業づくりフレーム」と「道徳科授業づくりチェックシート」)の作成を進め、完成版を印刷製本して、各校への配布を行いたい。当初、成果物は毎年、印刷製本して配布する予定であったが、各所の改良を年度をまたいで行ったこともあり、本年度は行わなかった。途中段階のものを配布するより精度を上げた成果物を作成し、配布することにしたのである。そのため、成果物の印刷製本、配布についての科研費は本年度は使用に至らず、次年度使用が生じた。成果物の印刷・製本は業者に委託する予定で、内容が伝わりやすいようカラー印刷を行う。また配布には郵送料などがかかるが、多くの学校の若手教員の困り感に応えるため、なるべく多い部数の成果物を作成し、多くの学校に配布したいと考えている。次年度使用額(1,148,578円)はこうした使用計画に基づいて生じた額である。
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Research Products
(1 results)