2023 Fiscal Year Research-status Report
International Comparative Study of University Admissions Regarding Engagement ability Evaluation Based on Educational Continuity
Project/Area Number |
22K02684
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
永田 純一 広島大学, 高大接続・入学センター, 教授 (70330959)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 追跡調査 / 高大接続 / 主体性 / アドバンストプレイスメント / 大学入学者選抜 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は,大学入学者選抜,アドバンストプレイスメント,初年次教育等に関連した調査研究として,国内の制度の調査分析,高校訪問,高校生・大学生の聴き取り調査,並びに国外における制度及び実施状況の調査分析を行った。 国内については,中国四国地区大学教育研究会,全国大学入学者選抜研究連絡協議会研究会に参加し,他の研究者との意見交換,並びに研究発表を行った。また,前年度と同様に,引き続き国内の高等学校等を訪問し,高校教員及び高校生に対する聞き取り調査を実施した。大学教育研究会では,初年次教育に関連した分科会であったことから入学前教育まで話題が広がり,元高校教員が入学前教育に関与することで,円滑な大学教育への移行の可能性が議論された。全国大学入学者選抜研究連絡協議会では,入試に資格試験を活用した場合における入試に対する態度であったり,あるいは入学後の学生生活におけるアクティビティー等の議論を行った。ここでは,客観的な入試成績や活動状況と学生自身の自己評価との関連性について,その信頼性の検討の重要性が論点となり,今後の課題であることが示唆された。 国外についてはCOVID19下でのIB,A-Level等の成績評価について調査を行ったところ,最終試験が中止となったことから各学校内の評価である主体性評価を一部に含めた内部評価成績が各国の大学入学者選抜に活用されたが,その信頼性に対する問題点が指摘されていることが分かった。主体性評価をハイステイクスなテスト(選抜)に活用する場合の難しさが露呈された状況となっている。一方,コロナ禍であっても主体性評価を含めた一斉筆記試験とは異なる選抜方法は,一定の頑強性を示しており,方法論としての有用性が示された。大学入学者選抜のようなハイステイクスなテストにおけるメリット・デメリットの両側面について,主体性を評価する手法の検討を継続することが重要である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初予定していた国外調査がいまだ未実施の状況であり,COVID19(新型コロナウイルス感染症)が我が国において指定感染症ではなくなった令和5年度においては,長期間でなくとも短期間での国外調査は実施可能な状況ではあったが,訪問調査対象機関との調整が不十分であったことが要因で,未実施となっている。令和6年度においては,これまでの人的ネットワークを活用することで,実際の訪問調査を可能とするよう十分な調整を図る予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
国外調査に関しては,当初計画していた米国については令和6年度上半期の訪問調査に向け,少なくとも3か月程度前には具体的な訪問日程,調査内容等について,訪問先機関との打ち合わせを行うこととしたい。同様に,その他に予定していた英国等における訪問調査についても,同程度の事前期間による調査に関するすり合わせを行うことで,実際の調査が円滑に遂行できるよう準備したいと考えている。なお,時間的制約があることから,訪問前に予備的調査として,書面等によるアンケート調査も並行して実施する計画である。以上の対応を行った上で,国内調査との結果を円滑に行い,最終的な結論を得るために,本研究課題を遂行する上での研究協力者を新たに追加し,進捗の改善を図る予定である。
|
Causes of Carryover |
当該年度(研究第2年度目)に実施予定であった国外調査について,新型コロナウイルス感染症が第5類へ移行したことから,短期間であれば実施可能ではあったが,訪問調査機関選定と調査機関との調整が不十分であったことから,次年度(研究第3年度目)へ訪問調査を延期することとしたためである。そこで,研究第3年度目に計画していた訪問調査と並行して未実施の国外調査を計画することとした。次年度使用額の大半は国外調査費用に充てる予定である。
|