2023 Fiscal Year Research-status Report
特許公開情報と安全保障貿易管理法令との対応に基づく技術流出分析ツール・手法の構築
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22K02711
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
狩野 幹人 三重大学, みえの未来図共創機構, 准教授 (20397516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三橋 一郎 三重大学, みえの未来図共創機構, 助教 (00501959)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 輸出貿易管理令 / リスト規制 / 国際特許分類(IPC) / テキストマッチング / 機微技術 / 特定技術分野 / 特許出願の非公開制度 / 経済安全保障推進法 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、まず、2022年度に構築した「輸出貿易管理令 別表第一」(リスト規制)の各項番と国際特許分類(IPC)のサブクラス間の定量的な関連度算出法を用い、具体的な機微技術分野について分析を試みた。 「先端材料(同別表第一第5項)」に着目し、PATENTSCOPE(WIPO、データベース)を用いて、関連度の高いIPCそれぞれについて、特許出願人の分析をおこなった。その結果、「圧電効果.電歪または磁歪を用いる電気一般」といった、いわゆるデュアルユース技術といわれる技術分野も抽出することができ、本手法の有効性が示唆された。一方で、それらの分野におけるより詳細な特許出願内容、技術内容の抽出のためには、サブクラスよりも下位の階層であるメイングループを用いた対応づけが必要であることがわかった。 つぎに、内閣府から、経済安全保障推進法に基づく「特許出願の非公開制度」の概要が公表され、対象となる「特定技術分野」が明らかになった。そのため、本手法の抽出精度に関する検証を試みた。具体的には、本手法で抽出された技術分野と「特定技術分野」との対応状況の確認をおこない、本手法の妥当性、可用性を検討した。「特定技術分野」には、IPCにおけるクラスからサブグループまでの4階層が混在しており、一部対応づけが十分ではない技術分野を把握できた。 今後、本研究においても、グループを用いた関連度算出法へ改良することにより、精度の向上に資することがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した「2. 機微技術の公開状況の調査」および「4. 海外特許に関する機微技術公開状況の調査」が、ほぼ完了した。 また「3. 調査結果の分析とヒアリング」について、中小規模大学・地域圏大学のリスクマネジメント担当者が参加する会議、東海地区の国公私立大学の安全保障輸出管理担当者が参加する会議において、機微技術管理や特許技術管理等についてのヒアリング・意見交換をおこなったほか、群馬大学および北海道大学の安全保障輸出管理責任者と安全保障全般についての意見交換をおこなった。
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Strategy for Future Research Activity |
本手法の妥当性、可用性、精度の向上のため、IPCにおけるグループを用いた関連度算出法への改良を試みる。 さらに、特許分析システムを導入し、より広範囲の分析をおこなう。
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Causes of Carryover |
(理由)本手法の妥当性、可用性の検証と位置づけられる「特定技術分野」およびそのIPCについて、内閣府からの公表が年度途中であったこと、および当該IPCがサブグループを含むものであったことから、高精度、広範囲および迅速な分析が可能な特許分析システムの選定に時間を要したため。 (使用計画)生じた未使用額については、次年度に、特許分析システムの導入に使用する予定である。
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