2022 Fiscal Year Research-status Report
大学の「学園」としての「場」の学生における価値とその形成に関する実証的探索的研究
Project/Area Number |
22K02721
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
飯吉 弘子 大阪公立大学, 国際基幹教育機構, 教授 (00398413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西垣 順子 大阪公立大学, 国際基幹教育機構, 教授 (80345769)
平 知宏 大阪公立大学, 国際基幹教育機構, 准教授 (80595687)
橋本 智也 大阪公立大学, 国際基幹教育機構, 准教授 (40802327)
深野 政之 大阪公立大学, 国際基幹教育機構, 准教授 (40552758)
外尾 安由子 大阪公立大学, 国際基幹教育機構, 特任助教 (30880629)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 学園の普遍的価値 / 大学という「場」 / 学びの価値や意味 / 共同社会集団 / 学びの協働体 / 学びの共同体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、学生(の人生)における大学という「場」および「学園」=「共同社会的集団」や「協同体」としての「場」(に属して学ぶこと)の価値や意味はどこにあるのか、価値や意味ある「学園」のあり方とはどのようなものかを考えることを目的として、大学の「共同社会的集団」としての「場」である「学園」の【Ⅰ.範囲・実体と普遍的価値や現代的意味についての探索的整理や考察】、【Ⅱ.学生にとっての「学園」の価値や意味についての実証的・探索的検証やモデル化】、【Ⅲ.学生にとって価値ある「学園」形成のあり方の検証や開発(含、オンライン空間の可能性の検討)】を行い、それらを踏まえて、【Ⅳ.学生(の人生)における「学園」や大学という「場」の価値・意味・あり方の総合的考察や提示】を目指す、実証的・探索的研究を進めようとしている。その際、「学園」を構成する仮説的要素として、(a)空間的、 (b)精神・感覚的、 (c)構成員的、 (d)構成単位・場面的、 (e)構成条件的の各要素を設定し、その具体的内容や他の要素の抽出・整理も試みるとともに、学生の愛着・帰属感等の意識や学び・成長に価値ある重要要素や複数要素の組合せを学生調査・社会人調査等で検討・モデル化して、大学統合後の自大学における「学園」開発研究を含めた、国内外大学の事例研究も進めようとしている。 初年度の2022年度は、上記Ⅰ~Ⅲの研究側面それぞれにおいて、先行調査研究・先行文献研究を中心に進めたり、2年度以降に実施予定の国内外事例調査・大卒社会人調査・学生調査等の実施に向けた準備・検討を進めたりした。さらに、研究グループ全体で複数回の研究会を行い、各研究側面の進捗や計画を共有し、次年度以降の調査実施に向けた連携と調整を図った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は当初より、いずれの研究側面でも先行研究や文献資料等の整理・分析や2年目以降に実施予定の調査設計を行うと計画しており、おおむね計画の通り進捗していると考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
【研究Ⅰ:「学園」の範囲・実体と価値・意味研究】では、文献調査・大学訪問調査・社会人調査・学生調査を用いて、Ⅰ-(1)「学園」概念の範囲・実体に関わる構成要素やその具体的内容を抽出・整理し、Ⅰ-(2)「学園」の価値に関わる重要な要素や要素の組み合わせを検討・検証し、Ⅰ-(3)「学園」の具体的事例(私大の大学理念等)やその歴史的変遷と実状を検証し、Ⅰ-(4)それらをもとに「学園」の範囲と実体、普遍的価値や現代的意味について考察する。 【研究Ⅱ:学生の「学園」での学びの価値・意味研究】では、学生調査(質的・量的調査)・社会人調査を用いて、Ⅱ-(1)「学園」概念の仮説的構成要素(a)~(e)と、学生の大学への愛着・帰属意識・一体感獲得の関連や自己観形成への影響等を検証し、要素の具体内容や他の要素の抽出を行う。Ⅱ-(2)愛着・帰属意識等の形成過程や、心の安全基地としての「学園」の可能性も検証する。Ⅱ-(3)学生タイプや「学園」の各構成要素の組合せ等の別による、「学園」での学生の意識・学び・成長の違いについて検討しモデル化を試み、「学園」での学びの価値・意味を探る。 【研究Ⅲ:「学園」形成のあり方研究】では、国内外大学訪問調査や自大学事例実践開発を通して、Ⅲ-(1)特徴的な「学園」を形成している、国内外の大学事例の抽出や状況整理を行い、Ⅲ-(2)他大学の事例のから、「学園」のあり方の分類・考察を行う。Ⅲ-(3)自大学の物理空間とオンライン上での共同社会的「学園」形成の実践開発(於、正課・課外・学習(支援)等の「場」等)を行い、「学園」形成の1つの事例モデルとして公開する。 【研究Ⅳ:「学園」と大学の「場」の価値・意味の総合的研究・考察】では、上記Ⅰ~Ⅲの結果を踏まえた研究のまとめと総括分析を行い 最終的に、Ⅳ学生にとっての「学園」や大学という「場」の価値・意味を考察し、その結果を提示する。
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Causes of Carryover |
今年度に購入予定だった各種調査・事例研究記録等のデータ保存用外付けSDDやコピー用紙・プリンタートナー等の消耗品は、今年度は調査を実施しなかったこともあり必要性が低かったため、来年度の調査実施に合わせて来年度に購入することとした。
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Research Products
(7 results)