2023 Fiscal Year Research-status Report
特別支援学校の防災機能と防災教育に関する実証的研究
Project/Area Number |
22K02780
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
新井 英靖 茨城大学, 教育学部, 教授 (30332547)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 修 茨城大学, 教育学部, 助教 (50909926)
田原 敬 茨城大学, 教育学部, 准教授 (70735753)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 特別支援教育 / 防災教育 / 避難所 / 支援ニーズ |
Outline of Annual Research Achievements |
研究2年目である2023年度は、初年度に実施した特別支援学校の防災機能に関する実態調査をまとめたうえで、防災機能をもつ特別支援学校でどのような防災教育を実施しているのかについて実践研究を行った。その結果、多くの特別支援学校で,在籍児および教職員が数日間,学校で避難できるように食料や水を備蓄していたことが明らかになった。また,特別支援学校のなかには,障害者が避難できる福祉避難所となっているところもあり,こうした特別支援学校は福祉避難所を運営することを想定して防災用品を確保していたことが明らかになった。一方で,今回の調査により,特別支援学校では,さまざまな内容の防災教育が実施されていることが明らかになった。具体的には,多くの特別支援学校で,定期的な避難訓練を実施しているだけでなく,災害に関する理解を深める授業を行っていたり,避難所生活の体験(非常食の試食やポータブルトイレの使用など)を行っていた。しかし、これまで実施してきた防災教育が教科学習とどのように接続しているかという点や,教科等を横断する総合的な学びのなかに防災教育がどのように位置づくのかという点についても検討している学校は少なかったという点も明らかになった。 今後、上記のように明らかになった防災機能と防災教育に関する結果を「自助」「共助」「公助」という視点から整理し、インクルーシブ社会における障害児者の防災のあり方について検討することが課題であると考える。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究2年目までに予定していた調査研究をおおかた終了することができ、研究最終年度は、その調査結果にもとづき必要と考えられる教材開発へと予定通り進めていくことができるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
防災機能と防災教育に関する結果を「自助」「共助」「公助」という視点から整理し、インクルーシブ社会における障害児者の防災のあり方について検討することを行ったうえで、特別支援学校で必要と考えられる教材を整理していくことで、本研究が推進していく。
|
Causes of Carryover |
調査結果の集計に時間がかかったため、教材研究を実施するための時間を十分にとることができなかったため、次年度使用額が生じた。
|