2022 Fiscal Year Research-status Report
日本版Prevent-Teach-Reinforce (PTR)プログラムの開発
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22K02793
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Research Institution | Osaka Shoin Women's University |
Principal Investigator |
田中 善大 大阪樟蔭女子大学, 児童教育学部, 准教授 (60729143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 賢一 畿央大学, 教育学部, 教授 (40510269)
庭山 和貴 大阪教育大学, 連合教職実践研究科, 准教授 (80805987)
大対 香奈子 近畿大学, 総合社会学部, 准教授 (80509927)
野田 航 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (70611440)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Prevent-Teach-Reinforce / PTR / 機能的アセスメント/行動支援計画 / 学校規模ポジティブ行動支援 / 第3層支援 / 多層支援モデル / ポジティブ行動支援 / 応用行動分析学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、SWPBSの第3層支援の実現に向けた日本版PTRプログラムの開発及びその効果を検証することである。2022年度は、研究実施計画に沿って、日本版PTRプログラムのマニュアルとツールを開発した。ツールとしては、目標設定、行動の測定、機能的アセスメントの実施、支援計画の作成、実行度評価等に用いるものを作成した。 加えて、開発した日本版PTRプログラムのマニュアルとツールを用いて、徳島県の特別支援学校1校と大阪府の特別支援学校1校において、実行チームを編成し、対象児に対して機能的アセスメントに基づく支援を実施し、その効果を検討した。実行チームのファシリテーターは、主に応用行動分析学を専門とする外部の専門家(代表研究者または分担研究者)が担当した。徳島県の特別支援学校では、3名の対象児に対して3つの実行チームを編成し、大阪府の特別支援校では、4名の対象児に対して4つの実行チームを編成した。 2つの特別支援学校ともに、プログラムの中で作成した支援計画に関する教員の実行度は高いものであった。作成した支援計画の対象児の行動に対する効果は、単一事例研究によって検証した。その結果、徳島県の特別支援学校では3名全員に作成した支援計画の効果が確認された。大阪府の特別支援学校では4名中3名で作成した支援計画の効果が確認され、残り1名についても支援計画の改善点が明確になった。プログラムの中で作成した支援計画の社会的妥当性については、教員対象の質問紙調査を実施し、検討した。質問紙調査の結果から、作成した支援計画の社会的妥当性は高いものであることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の研究実施計画では、研究期間の1年目(2022年度)に日本版PTRプログラムのマニュアルとツールの開発を行う計画であった。この点については、2022年度にマニュアル及びツールの開発を行ったため、おおむね計画通り進んでいる。1点、支援計画作成の際の参考資料となる支援方法のリストの作成を予定していたが、このリストについては作成途中であるため、2023年度に作成を予定している。 2022年度は日本版PTRプログラムのマニュアルとツールの開発に加えて、開発したプログラムとツールを用いて、特別支援学校で日本版PTRプログラムを実施し、その効果を検討した。これは、当初の研究実施計画においては、研究期間の2年目(2023年度)に実施を予定していたものであった。当初の研究実施計画の1年目の内容をおおむね実施したことに加えて、2年目の内容についてもおおむね実施することができたため、現在までの進捗状況については、当初の計画以上に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究は、当初の研究実施計画に沿って進めていく。2022年度には、当初の研究計画の1年目の内容に加えて、2年目の内容である外部の専門家を含むチームによる日本版PTRプログラムの効果検討についても実施した。そのため、2023年度については、当初の研究計画の3年目に予定していた校内の教員チームによる日本版PTRプログラムの効果検討を実施する予定である。ここでは、PTRプログラムの実行チームのファシリテーターは、外部の専門家ではなく校内の教員が担当し、外部の専門家はWeb会議システム等を用いてファシリテーターのサポートを行う。校内の教員がファシリテーターとなって実行チームで支援計画を作成する際には、支援方法のリストの必要性がより高まるため、2023年度には、2022年度に作成途中であった支援リストを完成させる予定である。
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Causes of Carryover |
研究代表者については、2022年度に入手予定だった資料が年度内に入手できなかったため、その資料を入手するための経費が残った。残った経費については、2023年度に、当該の資料を入手するために使用する計画である。4名の分担研究者については、3名が2022年度に使用予定だった経費について使用できなかった。残った経費については、2022年度に使用を予定していた分担研究者が継続して使用する計画である。
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