2022 Fiscal Year Research-status Report
心肺蘇生術普及のためのKURUME MODELの構築~学童へのアプローチ~
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22K02816
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
大塚 麻樹 久留米大学, 医学部, 講師 (90389255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 丈博 久留米大学, 医学部, 助教 (30941645)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 心肺蘇生術 / 救命の連鎖 / 教育 / AED(自動体外式除細動器) / 心肺停止 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は院外心停止に対する一般市民による心肺蘇生術の実施率の向上を目指すことを目的としている。まず当該研究施設である久留米大学の医に関する倫理委員会に研究の審査を受け承認を得た。我々は心肺蘇生教育を実施する対象として久留米市内全域の小学生高学年を選択したが、小学生を網羅的に教育するためには学校の協力が不可欠であり、まず久留米市教育委員会と協議し2022年度は8校に赴き心肺蘇生術教育を実施した。講習の指導は当該研究責任者が中心となり医師、看護師や医療系の学生とともにきめの細かい指導ができる体制を構築した。また久留米市消防にも協力を仰ぎ救命士らも講習指導者として参加いただき、地域の取り組みとしての位置付けを明確にした。講習は大阪ライフサポート協会の開発した一人一体のトレーニングキット(あっぱくん)を使用し45分間という授業時間内で胸骨圧迫とAEDの使用に特化した内容とした。アニメーション動画を使い座学と実習を組み合わせて進行することで学童児でも集中力が途切れることなく実施することができた。受講者には講習後にアンケート調査を依頼し、安全確認、傷病者への声かけ、119番通報とAEDの要請、呼吸の確認、胸骨圧迫、AED使用の項 目別に講習の前後で習熟度を4段階で評価してもらいその理解度を評価した。また受講者には1人1枚の受講証を発行し、心肺蘇生術を身に着けたことを可視化し、受講者の自己評価を高めるための一助とするとともに心肺蘇生術の大切さを知ってもらうリーフレットを作成し1人1枚配布した。 また大阪ライフサポート協会の指導者講習会を受講させ講習指導者の育成も同時に行い、講習内容の質の担保を実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画調書通り2022年度は久留米市内の小学校に赴き心肺蘇生教育を実施した。2022年4月の年度開始直後の日程調整であったため学校との調整に難渋したが、教育委員会、各小学校ともにこのような教育の重要性を理解しされており非常に協力的で、講習の実施拒否や受講後のアンケート実施拒否もない。概ね順調と判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度も小学校に赴き引き続き心肺蘇生術教育を行う。今後はアンケート結果の集計とともに消防と連携し当該地域の院外心停止症例に対する一般市民による心肺蘇生術実施率や講習受講率を調査する。
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Causes of Carryover |
計画は概ね順調であるが、コロナ禍もあり学会発表などの活動は十分に行えなかった。2023年度に使用予定である。
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