2022 Fiscal Year Research-status Report
Development and evaluation of prior inference type training materials to promote adaptation of in-service teachers for lesson inovation
Project/Area Number |
22K02886
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
益子 典文 岐阜大学, 教育学部, 教授 (10219321)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 教師教育 / 教員研修 / ICT活用 / 学力調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,現職教師が自らの既有実践的知識と授業イノベーション情報の関係を理解し,意味づけることが可能な新しい研修教材「推測型研修教材」開発の方法を提案し,その効果の検証を行うことである。 研究1年目である令和4年度は,「授業イノベーション情報への意味づけを可能にする推測型研修教材の開発」「教師の授業設計に関する実践的知識の変容条件に関する実証的研究」2つの研究を遂行した。まず「授業イノベーション情報への意味づけを可能にする推測型研修教材の開発」では,すでに開発し利用している〔ICT活用授業〕〔学力調査授業改善〕の推測型研修教材を分析したところ,回答者(学生,現職教員)が持つ実践知(既有知識)を当該授業場面に投影可能な素材および課題設定が有効であり,それ故に投影される実践知が豊かであれば多様かつ妥当な推測が遂行されるであろうことを仮説として設定した。その上で,複数の新教材を開発するとともに,講義や研修において教材として活用し,学生を対象として調査を行った。次に「教師の授業設計に関する実践的知識の変容条件に関する実証的研究」では,〔学力調査授業改善〕のテーマにおいて,授業設計に関する教師の実践知を活用しながら,学力調査結果情報の読解方法を理解する研修プログラムを設計し,小中学校の主任級の教師を対象とした試行を行った。試行の結果,実践知を活用する活動を組み込むことの成果が認められる一方で,研修に扱う題材(コンテンツ)の影響,例えば中学校教師は研修で扱う題材教科によって固有の授業改善と認識してしまうことが確認された。 新教材による学習者の反応分析や効果的な推測を促す条件について,さらに検討を進める。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1年目に実施した学生の反応のデータ分析が,多様な自由記述の文章であるために遅れている。また,当初予定していた教員研修でのデータ収集は,データ収集を想定していた教員研修がオンライン実施であったため,研修担当者と相談の上,データ収集を行わないこととした。そのため,現職教師のデータ収集も遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究2年目は,学生のデータ分析を完了させるとともに,現職教師のデータ収集は,大学院の対面講義でのデータ収集や,特定のベテラン教師を対象としたインタビュー調査など,調査方法を検討して実践知の投影水準の設定を進める。
|
Causes of Carryover |
現職教員の調査象者,特に県外在住のベテラン現職教員に対する調査が遅れたことに起因する旅費使用およびデータ処理機器の導入を次年度に行うこととしたため。
|
Research Products
(1 results)