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2023 Fiscal Year Research-status Report

教育用マイコンmicro:bitを用いた理科実験教材の開発

Research Project

Project/Area Number 22K02979
Research InstitutionChiba University

Principal Investigator

林 英子  千葉大学, 教育学部, 准教授 (40218590)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
KeywordsMicro:bit / 化学実験教材 / 高精度温度測定 / 高精度温度センサープローブ / 無線測定
Outline of Annual Research Achievements

ボード型マイコンmicro:bitをプログラミング教育だけに用いるのではなく、小学校から大学の理科実験や化学実験の装置としての活用を目指している。本研究で開発しているベックマン温度計の代替となる「プローブ型温度計」は、本年度は、昨年度に顕微鏡下の手作業で市販の高感度温度センサー(TI社、TMP117、2 mm×2 mm×0.7 mm)を測温プローブ化していたものを、専門企業に依頼してフレキシブル基板上に設置して測温プローブを量産化した。TMP117センサーは、結線の仕方で4種類のI2C通信のアドレス設定が可能であり、アドレス設定用の結線部分をフレキシブル基板上に設置することで、micro:bit に最大4本の温度センサを取り付けて測温できるように改良した。また、2台のmicro:bit間での無線通信機能を利用して、計測用のmicro:bitは棒状温度計に近い形状として、加熱中のビーカー内の溶液の測温を可能とし、化学実験に適した形に改良した。これを本学で行われる中高生向けの実験講座内での温度測定に活用した。
フリーのMicroPythonエディタであるMuエディタの描画機能を用いてリアルタイムグラフ表示を行っているが、実験開始時からのグラフ全体の描画には限界があった。これをMuエディタ上のPythonを利用してmicro:bitからのデータを、グラフ作成フリーソフトNgraphが実験中に読み込めるcsvファイル化した。時間的に多少遅れがあるが測定中のグラフ全体を描画できるようなった。
電気化学測定用のmicro:bitの活用については遅れているが、外部電源利用の電気分解での電流、電圧のデータを保存できるものを開発している。
開発したmicro:bit用のプログラムについては、研究室のWebサイトにてダウンロードできるように進めており、一部について公開を開始している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

R4年度の段階で、微小な高感度温度センサー素子をmicro:bitに取り付けるためのリード線への結線は、顕微鏡下での半田付け作業で行っており対応が遅れていた。昨年度に予定されていた、高感度温度センサー素子を測温プローブとして量産するための結線作業は、本年度に専門企業に依頼し8月に完成した。その後、引き続き温度計として改良を進め、中高生向けの実験講座で温度測定に活用するための複数班で無線通信を可能にするなど、当初の計画から遅れてはいる状態ではあるが比較的順調に進んでいる。温度センサープローブの高感度を活かしたまま,防水加工や被覆加工を行うことについてはまだ検討の余地がある。申請段階で本年度に実施予定であった電気化学測定についても取りかかり始めている。本年度中に外部電源を使った電気分解において、電圧値、電流値の記録とグラフ化については可能であることを確かめている。

Strategy for Future Research Activity

micro:bitプローブ型温度計については、化学実験用に温度センサプローブの保護管について検討を行う。市販の棒状温度計で使われているステンレス管への封入は研究室では困難であり、現在は測温プローブをガラス管で保護しているが、さらに検討を行い改良を行いたい。また、複数の温度センサーの同時測定による教材等の活用例を拡大する。
グラフ描画については本年度にNgraphを用いてグラフ全容を描画できるように改良したが、少し遅れての表示であり、リアルタイムに描画できるように改良を行う。
電気化学測定への活用については、本年度の外部電源からの電圧・電流測定のデータロガーを、R6年度はmicro:bitから直接電圧印加できる形に改良して、電圧を自動的に変化させながら電流計測をできるようする。これを発展させたサイクリックボルタンメトリの開発についても行う。
成果の学会発表、web上でのプログラムのダウンロード・マニュアルの公開も進めていく。

Causes of Carryover

初年度に計画していた温度プローブ加工費を今年度支出したが、設計を変更して予算より安価に作ることができた。
micro:bit購入費は、開発している計測毎にmicro:bitを用意し、異なるプログラムを入れて使用可能にするため、初年度の100個購入を計上していたが、micro:bitの機種のバージョンアップが有るため、開発が終わり教材用の活用の目処が立ってから必要個数を購入することに変更しているため、使い切っていない。R6年度は、本年度に開発した温度測定プログラム(複数センサ計測、無線通信計測)用のmicro:bit、および、R6年度に開発する電気計測用のmicro:bitを購入する予定がある。
謝金は通信プログラム開発謝金を計上していたがBluetooth通信の開発が困難であることが分かり、2台のmicro:bit間で無線通信に方向転換した。
学会発表旅費については、初年度に続き本年度も学会が近県での開催であったため、日帰り出張のみで使用しなかった。R6年度は近県以外での開催があるため、使用を予定している。

  • Research Products

    (3 results)

All 2024 2023 Other

All Presentation (2 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] 教育用マイコン micro:bit を用いた高精度データロガー温度計の改良と中高生向け化学実験講座での活用2024

    • Author(s)
      林英子,東崎健一
    • Organizer
      日本化学会第104春季年会
  • [Presentation] micro:bit 温度計の改良と中学校での融点測定への活用の検討2023

    • Author(s)
      林英子,小澤皓典,東崎健一
    • Organizer
      第59回熱測定討論会
  • [Remarks] 千葉大学教育学部 理科教育講座 化学研究室

    • URL

      http://www.e.chiba-u.jp/~hayashih/

URL: 

Published: 2024-12-25  

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