2023 Fiscal Year Research-status Report
アストロバイオロジーを用いた教科横断型STEAM教育コンテンツの開発及び実践
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22K03016
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Research Institution | National Institutes of Natural Sciences |
Principal Investigator |
日下部 展彦 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(機構直轄研究施設), アストロバイオロジーセンター, 特任専門員 (40647385)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | アストロバイオロジー / アンケート調査 / ワークショップ / 出張授業 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度に実施した「アストロバイオロジー」という新しい研究分野の認知度アンケートをもとに、簡易的な解析を行い、国内および国際学会等で発表を行った。アンケートの結果より、そもそも日本における「アストロバイオロジー」という学際的分野の認知度がかなり低いということが明らかになったため、まずは「最新科学」として広く知ってもらうことが喫緊の課題であることが浮き彫りになった。 そのため、まずは国立天文台のキャンパス公開等において、アストロバイオロジーに関連した謎解き企画を実施し、さまざまなヒントを集めつつ、総合して謎を解いていく企画を実施した。最後には、単純に知識があるだけでは辿り着けない、これまでの謎を総合した最終問題をウェブ上に用意し、体験を通して最新の科学に触れ合える企画を実施した。この企画は、子供から大人まで楽しむことができたが、小学校低学年や未就学児には難しいものであった。そのような年齢の子どもたちには、オリジナルの「宇宙生命」をお絵描きしてもらった。そのイラストを、系外惑星の背景をイメージした想像図を大型ディスプレイに表示し、その中を動いてもらう「おえかきパラダイス」というイベントも並行して実施した。子どもたちにはお絵描きを楽しんでもらい、付き添っている保護者にコンセプトを伝えることで、自然と天文学の最新分野の延長線上にある「アストロバイオロジー」という分野に触れてもらうことができた。 さらに、出張授業を国内の中学校2校に現地で行い、海外の日本人学校2校をオンラインで実施した。どちらも、系外惑星関連の研究からアストロバイオジー分野を紹介し、宇宙シミュレーションソフト(4D2U Mitaka)を用いた星空と宇宙に出て地球を俯瞰することで、宇宙と私たちがつながることを実感してもらうような出張授業を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内で実施したアンケート調査の結果について国際会議で発表を行い、キャンパス公開においてアストロバイオロジーを題材とした謎解き企画や、未知の生命のイラストを画面上で動かす企画を実施した。高価なウェブコンテンツではないが、デジタルと体験を合わせたワークショップのコンテンツをいくつか確立することができたため、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年に実施したアンケート調査の結果をさらに精査し、その特徴を捉え、国際会議で発表する。また、同様の調査を2024年度も実施し、変化があったかを探る。謎解きイベントなどのワークショップを今年も実施し、アップデートを行う。
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Causes of Carryover |
アンケート調査の結果、コンテンツ開発より先にまずは広く知ってもらうことが重要であることがわかった。そのため、高価なコンテンツ開発より各地でのイベントや出張授業を優先したため、次年度使用額が発生した。この予算については、本年度に参加予定の国際会議旅費に充てる。
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Research Products
(4 results)