2022 Fiscal Year Research-status Report
成人自閉スペクトラム症者の状態像へのアタッチメント形成不全の影響の検討
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22K03111
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Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
久保 信代 関西福祉科学大学, 心理科学部, 准教授 (40449848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧之段 学 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (00510182)
北村 聡一郎 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (10714389)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / アタッチメント / 成人アタッチメント面接 / 逆境的小児期体験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、アタッチメントの質とASD症状およびASD症状や精神疾患との関連性、それらに関連付けられる脳科学・精神医学的な知見の関連性を明らかにすることを目的としている。そのために、成人アタッチメント面接 (Adult Attachment Interview: AAI)を成人自閉スペクトラム症(ASD)者30名に対して行い、別途研究分担者が行った逆境的小児期体験(ACEs)、Child Abuse and Trauma Scale (CATS)と共に、アタッチメントと脳科学的・医学的な知見を関連づけて、検討する。 令和4年度は、実施機関(奈良県立医科大学)研究倫理審査委員会の承認を得て、AAIを実施した。すでに研究分担者(牧之段ら)によって、ACEs、CATS、脳科学的、医学的データ(核磁気共鳴画像法(MRI)による脳形態・機能の画像診断 、血液検査による免疫や各種ホルモンに関する評価など)を取得済みの高機能ASD者に対して研究協力を申し込み、応じてくださった方には研究の目的、方法、参加の任意性、参加のメリットとデメリット、中断の自由と不利益を被らないこと、公表の仕方、プライバシーの保護について記載した文書をもって説明し、文書で同意を得た。 AAIの実施に際しては、実施施設(奈良県立医科大学附属病院)における新型コロナウィルス感染予防対策に準じた方法で行った。 3月末までに17名分のAAI実施データを得ることができた。現在、逐語記録を作成し、AAIプロトコルに基づいて分析を行っている。分析はAAI実施者(久保)の他に、研究協力者(Kazuko Y. Behrens)にも分析の依頼をしており、評定の信頼性を担保する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実施施設における研究倫理審査委員会の承認を得て、研究対象者を募集し、AAIを開始した。現在までに研究に必要な30名のうち、17名分のデータを得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は新規13名分のAAI実施データを得る予定である。加えてAAIプロトコルに基づいた分析、分類を行う。
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Causes of Carryover |
人件費に関しては、研究協力者による分析が終了したサンプルがなかったため、支払いが発生しなかった。繰越となった人件費は次年度以降に使用する。また、令和5年度は国際学会参加を予定しているため、旅費の出費が増えることが予想される。そこで令和4年度に繰り越しとなった助成金は、主に人件費、学会参加費、旅費の使用を計画している。
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Research Products
(6 results)