2022 Fiscal Year Research-status Report
交際相手の束縛行為に対し被害の認識を阻害する要因の解明
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22K03132
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| Research Institution | Shigakkan University |
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Principal Investigator |
笹竹 英穂 至学館大学, 健康科学部, 教授 (00319229)
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| Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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| Keywords | デートDV / 心理的暴力 / 束縛 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
【研究1】恋愛相手からの心理的暴力（束縛）を愛情として受容する心理機制】
本研究の目的は，交際相手から束縛に応じることを求められた場合，束縛を愛情の表現と考え，束縛に応じる心理機制を明らかにすることである。2022年6月に中部地方の4年制私立大学において調査が実施され，交際経験がありかつ束縛の被害を経験した108人（男子56人，女子52人）が分析の対象とされた。分析には，計量テキスト分析ソフトウェアであるKH-Corderが用いられた。その結果，束縛を愛情の表現であると考える群では，「愛情が背景にあるという信念」「交際相手の激しい愛情」「他者に奪われる不安」のコードが有意に多く，束縛を愛情の表現ではないと考える群では，「信頼されていない」のコードが有意に多かった。
【研究2 交際相手の束縛する動機に対応した対処の類型化-授業受講者用の資料の作成-】 本研究の目的は，デートDVをテーマとした授業を行う際，すべての授業受講者が被害の対処について考え，理解を深めることができるように，デートDVが行われる動機を整理して類型化し (研究Ⅰ)，その動機に対応した被害の対処が記載された授業受講者用の資料を作成すること(研究Ⅱ)である。研究Ⅰでは，中部地方の四年制A私立大学における教職の授業を受講した2年生計174名に対して，令和4年10月に調査を実施した。質問項目は「交際相手を束縛するのは，どのような気持からだと思いますか」というものである。その結果，束縛する動機を4類型として整理した。研究Ⅱでは，中部地方の四年制A私立大学の教職関係の授業の受講生174人を調査対象とし，令和4年12月に授業のレポートとして，束縛する動機の4類型を提示し，その動機ごとに被害の対処を記載するというテーマを設定した。その結果「自信をつけさせる」から「愛情表現を検討させる」まで11個のコードが抽出された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで所属大学の紀要に2本の論文を投稿しており、研究は概ね順調に進行している。
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| Strategy for Future Research Activity |
【研究1】
交際相手から監視や行動のコントロールをされた場合に、その束縛に従いたくないにもかかわらず、交際相手との関係を壊したくないという気持ちから、嫌々ながら束縛に従う場合がある。交際相手との関係を壊したくないという気持ちを関係不安という。関係不安がある場合に、監視や行動のコントロールに従うか否かについて、どのような気持ちの違いがあるのかを明らかにすることを研究1の目的とする。研究方法としては、交際相手から監視や行動のコントロールをされたが、関係不安を持っているというシナリオを作成し、それを読んで、この束縛に従うか否かとその理由を自由記述で回答を求め、KH coderを用いて分析をすることにする。実施予定月日は、令和5年5月を予定しており、学生約400人からデータを収集する予定である。
【研究2】
若者は、交際相手からの束縛を心理的暴力と認識するか否かについては、その束縛が行われた状況や束縛を行う者の動機などの背景となる文脈の影響があることが指摘されている。昨年度、いくつかの文脈を含んだ質問文を作成して、デートDVに該当するかを5段階で回答させ、文脈の影響を数量的に調べた。研究2では、この研究を踏まえて、その束縛がなぜデートDVに該当すると考えるのか、あるいは考えないのかについて自由記述で回答を求め、その違いを明らかにすることを目的とする。
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| Causes of Carryover |
本年度は予定していたweb調査ができなかったため、次年度使用額が生じた。次年度はこのweb調査を実施する予定である。
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Research Products
(1 results)
