2022 Fiscal Year Research-status Report
Multicomponent positive psychotherapy: the combination of character strengths
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22K03135
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Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
島井 哲志 関西福祉科学大学, 心理科学部, 教授 (30136973)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ポジティブ心理学 / 人格的強み / マルチコンポネント / 介入実践 / ファシリテータ養成 |
Outline of Annual Research Achievements |
ポジティブ心理学の中核の一つといえる人格的強みの研究は第二段階に入ったと考えられる。これまで、測定ツールとしては、クリス・ピーターソンが開発し、我々も日本版を開発したVIA-IS尺度に限定されてきた。しかし、その時代は終わり、より多様な尺度が開発され、また、個々の特定の強みの研究が発展してきたことにより、その強みに特有な特徴も明確になってきた。これまでの研究実績としては以下の通りである。 1)個々の強みに関するものも含めて出版された書籍や、公表された論文の情報を積極的に収集して、この領域に関して最新の基盤を確立してきた。 2)我々の開発した24項目の強み尺度CST24を用いた研究も進めており、社会的態度などの関連する心理指標を用いたインターネット調査によるデータ収集を行い、強みの実態の分析を行ってきた。 3)その成果については、国内の学会発表、また、今年度開催の国際学会発表、学会誌論文および専門雑誌、商業誌への寄稿、また共同研究やコンサルテーションなどを通じて、社会にフィードバックしてきた。 4)現在、地域保健、看護や介護、リハビリテーション栄養などの近接領域の研究者・実践家と連絡・共同で研究を行う体制を取り、これらのさまざまな場面で活用できる、複数の強みを含んだマルチコンポネントの介入方法の確立に向けて、基礎研究と実践研究を進めている。 5)強みの発揮に大きく関連する、人生の意味について、新たに3要因として提案された3DM尺度の日本版を開発し、その信頼性と妥当性のための基礎データを収集して、現在、今年度の日本心理学会等で発表することを予定し、また論文投稿に向けて準備中である。同時に、これに準じた働きがいに関する尺度の日本版も開発し、これについてはすでに昨年度の日本心理学会で報告済みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3年計画の1年目として体制づくりは順調に進行してきた。 共同研究を行う研究者として、従来から連絡を取り合ってきたコロラド大学のMichael Steger先生に加えて、自己決定理論に関する研究も実施している、フィンランドのMartela先生と連絡を取り合い、自己決定理論の見地から、強みの活用を計画することを構想中である。また、オーストリア・インスブルック大学のタチアナ・シュネル先生とも連絡を取り、実存心理学的な立場からの強みの発揮についても検討することを計画している。
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Strategy for Future Research Activity |
ドイツ・ブレーメンで行われる国際学会において連盟発表する予定なので、可能であれば、オーストリアのSchnell先生との情報交換を行い、国際比較を視野に置いた研究を実施していきたいと考えている。さらに、距離的には近いので、フィンランド・アルト大学のフランク・マンテラ先生との情報交換を行うことができればと考えている。対面での情報交換が可能な状況になったので積極的な交流を深めることを予定している。 この研究が発展すれば、国際共同研究として展開したいと考えているが、そのための基礎固めが本研究の役割と位置づけている。
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Causes of Carryover |
コロナ感染症への対策のために、国際学会での発表および情報収集と情報交換ができなかった。2023年度には国際学会に発表予定(すでに申し込み済みで審査中)であるので、今回、繰り越した経費を用いて、最新の研究についての情報収集や情報交換を行う予定にしている。
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